2023.03.03
ネガティブなトピックが目立ったまま幕を閉じた昨シーズンの新潟アルビレックスBB。その影響か、オフの戦力補強も出遅れた感は否めず、スタッフも含めた相次ぐ退団者の発表ばかりが先行し、なかなか発表されない選手契約情報にブースターはやきもきした。
その風向きが少しずつ変わり始めたきっかけは、平岡富士貴ヘッドコーチの再登板。現役時代にクラブ創設メンバーに名を連ねた平岡HCはBリーグ初年度から5シーズンにわたってB2群馬クレインサンダーズを率い、昨季シーズンは圧倒的な成績でB2制覇とB1昇格に導いた。現役時代からの盟友でもある藤原隆充アシスタントコーチらを引き連れて古巣の窮状打開に乗り出したことは、ブースターに大きな期待を抱かせた。
五十嵐圭を筆頭に主力の多くが移籍の道を選んだが、新潟出身の選手4人が残留。そこに遠藤善や木村圭吾といった将来性のある若手が加わり、岡本飛竜や綿貫瞬という経験値のあるガードの獲得にも成功。ロスコ・アレンや新加入のジェフ・エアーズという外国籍選手も含め、年齢やポジションのバランスもある程度整った。平岡HCとしては、特にオフェンス面でハーフコート・オールコート双方の戦略を組み立てやすくなったはずだ。
予想スターターは岡本、納見悠仁、コービー・パラス、アレン、エアーズ。納見が持ち前のシュート力を発揮すると、相手にとっては守りにくい布陣になるだろう。経験豊富な佐藤公威や池田雄一、綿貫がベンチに控える点も強みになるはずだ。課題となるディフェンス面でどのようなシステムを構築するか、平岡HCの手腕に期待がかかる。シーズンを通して攻守の完成度を高め、少しずつでも結果に結びつけて明るい未来を予感させるシーズンにしたい。
文=吉川哲彦
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