2022.10.20
今オフの話題を大いにかっさらったのは、アルバルク東京だった。その大型補強からも、昨シーズン東地区6位に沈んでチャンピオンシップ出場を逃し、今シーズンでの王座奪還にかける“本気度”が伺えた。
日本代表・安藤周人の新加入発表を皮切りに、千葉ジェッツでリーグ制覇を果たしたセバスチャン・サイズ、極めつけは宇都宮ブレックスの大黒柱であり、帰化選手でもあるライアン・ロシターの入団。さらには加入予定であったジョーダン・セオドアの契約解除から1週間でジョーダン・テイラーも獲得し13名のロスターをそろえた。
また、Bリーグ連覇へ導いたルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチの続投も大きく、プロの舞台でも飛躍した小酒部泰暉を筆頭に次代を担う若手が控えている点も抜け目がない。今シーズンのA東京は、タレント集団より“最恐集団”という呼び名のほうが相応しいかもしれない。
しかしながら、その補強は実に的確と言える。主にシューターを担った須田侑太郎のポジションに安藤を、1試合平均32.1本に甘んじたリバウンド改善のために昨季平均11.7本を記録したサイズを獲得。“剛”のセンター、アレックス・カークに対して“柔”のロシターとそれぞれの役割が明確だ。
ロシターの加入でサイズ、カークの3名同時起用も可能になり、それがいつ披露されるかも楽しみではある。けれども、チームとしてはあくまでディフェンスに重きを置き、引き続き強固な守備からスムーズな攻撃につなげるスタイルは不変。
「まだまだ完成度が低い」。満を持してキャプテン兼エースとなった田中大貴が言うように、開幕までにどこまで連携を深められるか。やはりポイントは序盤の戦いぶりであり、ここで足踏みをしなければ無類の強さでの優勝もあり得るだろう。
昨シーズンの小島は、計28試合で先発を担ってフィールドゴールと3ポイント成功率ともに46.2パーセントをマーク。今シーズンも随所にそのシュート力を発揮してほしいが、コート上でチームをまとめ上げる統率力がより一層問われることになるだろう。
同ポジションのテイラーと笹倉怜寿に加え、田中が司令塔を務める場面もあるかもしれない。それでも、試合の局面では背番号1が強いリーダーシップで味方をけん引し、チームを勝利へ導いてほしい。
文=小沼克年
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