2022.02.21
コロナの影響がクラブにどこまであったのか。2021年12月に発表された「2020-21シーズン(2020年度)クラブ決算概要」から皆さんのマイチームとリーグの仲間の現在地を確認しておきましょう。
文=井口基史
昨シーズンB2で圧倒的な成績でB1昇格を果たした群馬クレインサンダーズが費やした選手人件費は、約2.5億円。B1人件費ランキングでも16位に位置することになります。同じく昇格組の茨城ロボッツも2億円を使っていることを見ると、B1昇格を確かなものにするにはB2にいながらもB1と同等程度の選手人件費を使える事業規模クラブになっている必要があると言えるかもしれません。
B2のマイチームを愛する方で「B1昇格の可能性が気になって寝られない!」という方は、昨シーズンのトップチーム人件費を昇格した群馬・茨城と比べて見てみると不安が増すのか、自信が深まるのか…。
現在のB1で22チーム中「11チームが人件費増」、「3チームが据え置き」だったと仮定すると、既存チームから意中の選手をリクルート(獲得)するには資金が必要なことが予想され、コロナの影響の中でも約半数の選手はサラリーが上昇傾向にあると予想されます。
【トップチーム人件費増加】11クラブ
千葉、三河、琉球、川崎、名古屋D、SR渋谷、広島、島根、横浜、信州、群馬
滋賀レイクスターズの選手大量退団の際、狩俣昌也選手(現長崎ヴェルカ)による「滋賀の皆さん俺います」のSNSコメントが当時話題となりましたが、B1最大幅になる約7千万円のトップチーム人件費削減をみると選手たちが受けたショックの大きさが分かります。
滋賀の皆さん俺います。@shigalakestars
— Masaya Karimata (@msy_karimata) May 28, 2020
各クラブの決算月の違い、賞金やインセンティブを計上する時期の差、コーチングスタッフの数などに多くの違いがあって一概に言えないことは当然です。さらに新人選手は年俸の上限があるなど参考程度でとどめてほしいのですが、1位・アルバルク東京のトップチーム人件費を単純に12名で割ると1選手あたり約7600万円。20位・信州ブレイブウォリアーズを12名で割ると約1300万円となります。2021年のJリーグの平均年俸が約3200万円とありますので、プロバスケ選手の国内の現在地が見えてくると思います。
一部の選手が大きく稼ぐことが起きうる世界です。NBAなどでは平均ではなく中央値で見ることが多いので、あくまでも参考程度にしてくださいね。
プロスポーツではお金の話も大事なテーマ。賛否が分かれるデリケートなトピックですが、バスケがより大きくなっていくために自由に語れる文化も少しずつ醸成されると良いかなと思っています。前回はスポンサーとファン・ブースターが支える「営業収入」ランキングについてレポートしています。そちらもどうぞ!
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