2022.06.15
アルバルク東京は4月9日にアリーナ立川立飛で行われた横浜ビー・コルセアーズとのB1リーグ第30節第1戦で、菊地祥平、ライアン・ロシターの2人をコンディション調整のため欠いたが、91-80で勝利を収め、連勝を「4」に伸ばした。
帰化選手のロシターに代わって、約20分のプレータイムを得たのが吉井裕鷹だ。チェコ代表の一員として「東京2020オリンピック」にも出場したパトリック・アウダをはじめ、レイトン・ハモンズやレジナルド・ベクトンといった自身よりも大きい相手外国籍選手とマッチアップを繰り広げ、3ポイント1本を含む7得点1リバウンドを記録した。
スモールフォワードで登録されている196センチ94キロの23歳だが、3月にロシターが負傷した影響もあり、パワーフォワードのポジションでコートに立つ機会が増加。ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチは吉井について「今シーズンはケガや体調不良などいろいろなことがありました」と語った上で、次のように評価した。
「ここ数試合はロシター選手がいない中、チャンスが訪れました。コンディションがしっかりと整い、チームのシステムもよく理解していると感じています。このチャンスを、本人が自分自身から活かしているのかなと。全面的にディフェンスを頑張ろうという意識を感じますし、オフェンスでも、ディフェンスでもチームに貢献していることは、私としても手応えを感じています」
試合に絡むようになった吉井自身は、「“試合慣れ”してきたことが成長」だと明かす。
「試合に出てみないとわからない点があって、例えばルカHCから『こういうふうに守るんだ』と言われているものの、実際に守ってみると少し違ったりとか。そういった臨機応変さが求められる中、少しずつ成長していると感じています」
アウダとのマッチアップでは守る部分もあったが、試合終了残り2分36秒に5点差に詰め寄られる“3点プレー”を献上。ルカHCはすぐさまサイズをコートに戻し、吉井はベンチに退いた。
「あそこから相手チームの雰囲気が良くなって、逆転される可能性もありました。気を緩めていたわけではありませんが、あそこはもっとうまく守れたと思っています。身長差があるので、ボールを持たれる前、ボールを持たれたあとも、もっとアグレッシブにプレーできたと思っています」
ただ、指揮官は「ここ数試合、吉井選手の成長は非常にチームのプラス材料」と評し、「今後も若さ、そして思いきりのあるプレー、彼の持ち味を活かして戦っていってほしいと感じています」と期待を寄せた。
特別指定選手としてA東京に在籍した2020-21シーズンは試合に出場できず、今シーズンも42試合中15試合に出場したのみ。期待のオールラウンダーは成長過程を歩み始めたばかりだ。
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