【B1第8節見どころ】勝率で並ぶ西地区上位チームが激突…仙台vs長崎の“矛盾対決”にも注目

9勝3敗と好調の名古屋Dが同勝率の長崎と対戦 [写真]＝B.LEAGUE

小沼克年

フリーライター

　8シーズン目のBリーグが幕を開けて早1カ月。西地区は1位から5位までが1勝差でひしめく混戦模様となっている。バイウィーク前の2連戦で一歩前に出るチームは現れるのか。注目カードは9勝3敗で並ぶ名古屋ダイヤモンドドルフィンズvs大阪エヴェッサだ。

　名古屋Dは前節、本拠地で長崎ヴェルカとの点の取り合いを101－97で制した。試合は第4クォーター残り5分を切った時点で11点ビハインド。しかし、そこから齋藤拓実が4本の3ポイントシュートを沈めて追いつくと、合計29得点13リバウンドの活躍を見せたロバート・フランクスの得点で試合をひっくり返した。

　一方、前節の大阪は敵地で黒星。ファイティングイーグルス名古屋との一戦は立ち上がりで0－12と後手に回り、終始追いかける展開を強いられた。第3クォーターには、ショーン・ロングがこの10分間だけで3つのファウルを宣告されてファウルアウト。一度もリードを奪えないまま、最終スコア74－82で敗れた。

　ここまでの両チームは、1試合平均85点前後の高い攻撃力を誇る。ホームの名古屋Dは守備の修正に加え、課題であるターンオーバーを抑えて効率よく得点を重ねたいところで、開幕から先発出場を続ける伊藤達哉のゲームメイクに注目だ。4連敗を避けたい大阪は、相手の強みであるリバウンドで張り合えるかが重要。ロングには、前節の悔しさを晴らす活躍を見せてほしい。

攻守両面においてゴール下での活躍が期待される大阪のショーン・ロング [写真]＝B.LEAGUE

　カメイアリーナ仙台では、仙台89ERSと長崎ヴェルカによる“矛盾対決”が実現。B1トップの同88.5得点をマークする長崎の攻撃力を、粘り強いディフェンスを最大の武器とする仙台が抑え込めるかが勝敗を左右する。勝率5割の仙台が勝ち越しで中断期間を迎られるかどうかは、阿部諒とヤンジェミンの働きがカギを握るだろう。新戦力2人には、日本代表の馬場雄大を自由にさせない働きが求められる。

　2連敗中の秋田ノーザンハピネッツは、ホームで東地区首位に立つアルバルク東京に挑む。第4節での今シーズン初対決では、16点差でA東京に軍配が上がった。リベンジしたい秋田としては、ロースコアゲームに持ち込んで接戦をものにしたいところ。まずは前節の仙台戦で17個を記録したターンオーバーを減らすことが勝利への絶対条件。前回との違いを見せるには、11月に加入したジェロウム・ティルマンの活躍も必要不可欠だ。

　中地区で首位争いを演じるのは、ともに10勝2敗の川崎ブレイブサンダースと三遠ネオフェニックス。川崎は群馬クレインサンダーズからホーム連勝を収め、その差を広げられるか。この試合で最も注目を集めるのがニック・ファジーカスと辻直人だ。かつては“ツジーカス”として川崎をけん引したコンビが、川崎市とどろきアリーナを大いに沸かすだろう。また、辻と同様に古巣戦に乗り込む野本建吾、かつて群馬に在籍していた野﨑零也の活躍にも期待が高まる。