2024.03.21

千葉J・富樫勇樹が2季ぶり無得点も自然体…大記録目前「超えたら誰も触れなくなってしまう」

リーグ戦では2戦連続で3ポイント成功0本に終わった富樫[写真]=B.LEAGUE
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 3月20日、B1リーグ2023-24シーズン第26節が開催され、東地区3位の千葉ジェッツは、敵地で茨城ロボッツに98-82で勝利。大黒柱の富樫勇樹はリーグ戦で2シーズンぶりに無得点で終わったが、「チームの勝利が一番なので。まずそこを達成できてよかった」と試合を振り返った。

 試合は第1クォーターから激しい点の取り合いとなったものの、第2クォーターだけで相手のターンオーバー6本を誘うなど攻守に主導権を握り、53-41とリード拡大。12点リードのまま迎えた第4クォーターには、ユース出身17歳の関谷間B1初得点を挙げるなど、会心の勝利を飾った。

 千葉Jはリーグ戦が休止している間に、東アジアスーパーリーグ(EASL)と天皇杯のタイトルを獲得。歓喜の渦の中にいた一方で、長丁場のリーグ戦に戻る難しさもあった。それでも、チームのキャプテンを務める富樫は「EASL、天皇杯と続いて、そこからリーグ戦に戻るときに気持ち的にグッと下がってしまうところがあるので、そこはチームとしても声を掛け合いながらできた」と、安堵の思いも込めたコメントで試合を総括した。

 この一戦で注目を集めていたのが、B1リーグで史上初となる3ポイント通算1000本にリーチをかけていた富樫。EASLと天皇杯で2大会連続MVPに輝いたエースは、3月3日のアウェー・広島ドラゴンフライズ戦で通算3ポイント999本とし、大記録に王手をかけていたが、6日の群馬クレインサンダーズ戦で6本放った3ポイントをすべて外し、この日も5本不発。快挙を目前にして足踏みが続いただけでなく、2021-22シーズン第6節の滋賀レイクス戦以来、リーグ戦では864日ぶりとなる無得点にも終わった。

 試合後のボックススコアに「富樫勇樹 得点 0」と記されるのは“異例の事態”ではあるが、プレーしていた富樫本人はそうした“違和感”も「今日はなかったですね」とさっぱり。ジョン・パトリックヘッドコーチは「勇樹が得点を取れなかったけど、ターンオーバーなしでボールをプッシュしてくれた。プラスマイナスを見たら勇樹のプラス15、結構大きいと思います」と、その貢献ぶりを評価。富樫も「チームとしてずっとリードしていたので。もちろん決めなきゃいけないシュートはたくさんありましたけど、無理してこじ開けるような場面は一つもなかったのかなと思います。あと1本で1000本の3ポイントというのもありますけど、記録のために無理したシュートを打つような場面は無かったのかなと思います。当たり前ですけど、チームの勝利が一番なので。まずそこを達成できてよかったです」と頷いた。

 達成すればB1リーグ史上初となる通算1000本の大記録について、「正直ホームで決めたかった」と前節で達成を逃した悔しさを滲ませつつ、「相手がスカウティングで3ポイントを消してきた。難しいシュートもあったので。でもそれもそれでゲームの一部」ともコメント。「(記録を)意識しているわけではないですけど、なかなか最後の1本がこないというのは…。その話題をできるだけ長くアレしたいなと。超えてしまったら誰も触れなくなってしまうので(笑)」と、最後は茶目っ気まじりの笑顔で答えた。

 試合が行われた20日早朝には、パリ2024オリンピックの組み合わせ抽選会が行われ、日本代表(FIBAランキング26位)が、昨夏のワールドカップ初戦で対戦したドイツ代表(同3位)、開催国のフランス代表(同9位)、FIBA男子オリンピック世界最終予選(OQT)ラトビア会場の勝者と同組になることが決定した。

 最高峰の舞台で強豪と対戦することへの期待感を口にしつつ、「コーチ陣はスカウティングを始めると思いますけど、Bリーグの各選手は怪我なく、全力でプレーするしかない」と富樫。週末に行われるアルバルク東京との2連戦では、チームの勝敗はもちろん、前人未到の大記録誕生の瞬間が訪れるのか、再び千葉Jの背番号2に視線が注がれることになりそうだ。

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