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12月26日、「SoftBank ウインターカップ2021 令和3年度 第74回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の男子3回戦、前橋育英高校(群馬県)と福島東稜高校(福島県)との試合は第4クォーターまでもつれる展開に。だが、前橋育英は終盤に福島東稜の197センチでパワーもあるモーヌ チソン フランクリン(3年)にインサイドでシュートを許すと苦しくなる。それでも、佐藤永遠(3年)のシュートで残り35秒には3点差に詰めたのだが、福島東稜に3ポイントシュートを返されてしまい万事休す。81-87で敗れた。
「キャプテンとしてエースとして、得点でチームを引っ張ることができず、大事なところを任されたのに、そこでも決め切れなくてチームには申し訳ないと思っています」
こう試合を振り返ったのは前橋育英のエースを担う久岡賢太郎(3年)。ドライブや外角シュート、1対1にも優れた点取り屋で、3年生となった今年はエースとしてだけでなく、キャプテンとしてもチームを引っ張ってきた。3回戦では14得点をマークしたものの、試合後はシュートを決め切れなかったことを悔やんだ。
今年の前橋育英は、関東大会で好成績を残し、インターハイ前から注目のチームであった。そのインターハイではベスト8。当然、ウインターカップでも上位進出が期待されていた。それだけに、「自分たちが目標にしていた場所はここではなかったし、もっと上に行けたと思うので、そこは悔しいです」と久岡。
さらに「インターハイでは(3回戦の相手が新型コロナウイルス感染症の影響で辞退により)試合をしないままベスト8。ベスト8になったことはうれしかったのですが、(続く準々決勝で)帝京長岡と対戦し、そこでレベルの違い、ベスト8以上の壁を思い知りました。ウインターカップではベスト4へ行こうというモチベーションでやってきたのですが、最後は詰めが甘かったと思います」と、この1年を振り返った。
「(仲間が)リバウンドを取ってくれても、自分がシュートを決めることができなくて本当に申し訳ないです」と反省しきりの久岡は、チームメートの話になると、「自分の調子が上がらないときもみんなが助けてくれたし、逆に自分が調子いいときにはボール回してくれて感謝しかないです」と力強い言葉で発した。
「キャプテンとして、エースとしてやらさせてもらいましたが、大事なところで決めるということが本当に難しいことだと感じました。もう一度、シュートなど基本的なことを見直して、どの試合で活躍できるような一流の選手になれるように頑張りたいです」
プレッシャーもあっただろう。だが、背番号4番を背負って戦い抜いたこの1年間は、今後も続くバスケット人生において、かけがえのない1年となったはずだ。
文=田島早苗