2025.01.06

「唯一無二で永遠に記憶に残る選手になる」ヨキッチがウェンバンヤマを賞賛

現地3日の試合でマッチアップしたウェンバンヤマとヨキッチ[写真]=Getty Images

■年始に最注目された超人対決

 NBAには再び、インサイドプレーヤーたちによる群雄割拠の時代が到来している。直近4年間は、ニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)とジョエル・エンビード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)がシーズンMVPを独占。また、そこにヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)を加えると、その期間は6シーズンにまで延長される。

 若手にも有望株が多いが、その中でもビクター・ウェンバンヤマ(サンアントニオ・スパーズ)の登場は、このトレンドを大幅に加速させるものとなった。フランス生まれの“エイリアン”は今シーズン、平均25.7得点10.7リバウンド3.9ブロック3ポイント成功率35.4パーセントをマーク。直近のMVP予想でも全体5位にランクインしており、スタッツ等を数値化して貢献度を算出するファンタジーポイントでも全体3位となる獅子奮迅の活躍を継続している。

 1月4日(現地時間3日)および5日(同4日)に開催されたナゲッツ対スパーズの2連戦は、MVP争いとファンタジーポイントの双方で首位に君臨するヨキッチと、飛躍の2シーズン目を迎えるウェンバンヤマのビッグマン対決に大きな注目が集まった。

 ナゲッツの本拠地『ボール・アリーナ』で開催された第1戦は、互いにチームハイを叩き出す熾烈なバトルに。この試合、ヨキッチは41得点18リバウンド9アシストを、ウェンバンヤマは35得点18リバウンド4アシストをそれぞれ記録し、試合の主役を担った。3度のシーズンMVPは、屈強なフィジカルと代名詞であるテクニックを駆使してペイントエリアを制圧。一方、昨年の新人王&ブロック王は、ガード陣のお株を奪うようなロングスリーと、高さを駆使したゴール下でのプレーを織り交ぜながら、ミスマッチで相手ディフェンダーを翻弄し続けた。

 第1戦はスパーズが敵地で白星を奪ったが、第2戦では一昨年の王者が底力を見せた。オーバータイムまでもつれ込んだこの試合は、46得点9リバウンド10アシストというヨキッチの大車輪の活躍でナゲッツに軍配。ウェンバンヤマも20得点23リバウンド3アシストを記録したが、ラッセル・ウェストブルックの執拗な守備もあり、3ポイントシュートが12本中2本の成功に止まるなど、オフェンスでリズムをつかみ損ねた。

■互いについてコメント

[写真]=Getty Images


 それでもウェンバンヤマの活躍は、ヨキッチの心を射止めたようだ。4日の試合後、スパーズの若きエースの成長ぶりについて問われたヨキッチは、ルーキーイヤーとの比較と共に、同選手の明るい未来を予見している。

「今年の彼(ウェンバンヤマ)は昨年よりも良くなっていると思うし、さらに成長するのではないでしょうか。経験、身体の変化、プレーの理解度、そして現在の彼のチームには成長を手助けしてくれる優秀なベテラン選手が在籍しています。僕は彼を特別な存在だと感じています。唯一無二で、永遠に記憶に残る選手になるでしょう」

 一方で、リーグ最高の選手と対峙したウェンバンヤマにも思うところがあったようだ。ヨキッチのコート上における影響力に感銘を受け、“ジョーカー”の愛称で親しまれる背番号15について、以下のコメントを残している。

「複数回のMVP受賞者です。またすぐに再びMVPに選ばれるでしょう。ヨキッチは毎試合、ダブルチームを受けながらも、チームメートを引き立てる選手です。私も嘘偽りなく、そのような選手になりたいです」

 ヨキッチとウェンバンヤマの対戦は、互いに敵地で白星を奪うレギュラーシーズンのベストバウトの一つとなった。両者は近い将来、プレーオフの舞台でも熱戦を繰り広げてくれるに違いない。 

文=Meiji

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