2025.10.27

レブロン・ジェームズが「優勝のために必要な選手」と絶賛したかつてのチームメートとは?

サンダー優勝の真ん中にカルーソの姿があった [写真]=Getty Images

 NBAはスター選手なくして優勝は不可能だ。しかし、それと同時にスター選手のみでも優勝は不可能であり、昨シーズンのオクラホマシティ・サンダーやインディアナ・ペイサーズは、バスケットボールがチームスポーツであることを結果で証明してくれた。

 アレックス・カルーソ(オクラホマシティ・サンダー)は、そんなOKCの初優勝(※前回優勝はシアトル・スーパーソニックス時代)になくてはならない存在だった。レギュラーシーズン、プレーオフをあわせても先発はわずか3試合しかなく、ポストシーズン前の平均出場時間は20分にも満たないが、カルーソは若き球団に経験とエナジーをもたらし、大舞台で戦う術をプレーで示してみせた。

レブロンがかつてのチームメートをべた褒め [写真]=Getty Images

 元チームメートであり、共に優勝を経験したレブロン・ジェームズロサンゼルス・レイカーズ)も、カルーソの勇姿を手放しで賞賛している。自身のPodcast番組『Mind the Gage』では、チャプターに“Alex Caruso is the ultimate winner(=アレックス・カルーソは究極の勝者)”と題し、同選手がいかに素晴らしいかについて見解を述べた。

「プレーオフ経験がある選手や、1回戦、2回戦を勝ち上がったことのある選手は多い。でも大事なのは、“誰がチームをひとつにまとめて使命を共有させる存在になるのか”ということなんだ。『これがミッションだ、これが使命だ』と常に方向を示せる人間。コーチ陣が経験豊富でもいいし、GMがトロフィーを並べていてもいい。でも、実際にチームを引っ張っていくのは、たったひとりのそういう人間なんだ。去年のOKCで言えば、それがアレックス・カルーソだった」

 カルーソの影響力は、目に見えない数字にも表れていた。プレーオフの平均スタッツは9.2得点2.7リバウンド2.2アシストと見栄えしないが、48分換算のウィンシェア(勝利への貢献度)は合計300分以上のプレータイムがあった中でもチーム3位。また、ディフェンスにおけるプラスマイナスは文句なしのチームトップ成績で、それでいながらフィールドゴール成功率50.0パーセント、スリーポイント成功率41.1パーセントと効率も申し分なかった。

 レブロンの饒舌さはこれだけでは止まらなかった。

「シェイ(ギルジャス・アレクサンダー)がどれだけ素晴らしかったかは言うまでもない。J・ダブ(ジェイレン・ウィリアムズ)もそうだし、チェット(・ホルムグレン)ももちろんすごかった。でもカルーソは“その男”だったんだ。どうやってあの舞台に辿り着くかを知っていて、そこにいるために何が必要かを知っていて、逆境でも平常心を保つ術を知っていた。そういうタイプの選手がチームにひとりはいなきゃいけない。あいつは、プレーオフで(ニコラ・)ヨキッチを守ってたんだぞ。エルボーで文字通りヨキッチに頭をぶつけられながらも守ってたんだ」

 レブロンが言及したカルーソのヨキッチに対するマッチアップは、ディフェンスのお手本のようなものだった。審判のファウルコールのギリギリを読み取るクリーンなコンタクトと間合い、不利な押し合いでも身体を巧みに入れ替え、シュートミスやスティールの隙を誘発し、一昨年の覇者とMVPを見事に退けた。

 ドラフト外でGリーグからキャリアをスタートし、オールディフェンシブまで上り詰めた苦労人。今シーズンは王者として各球団のエースたちから挑戦を引き受ける。

文=Meiji

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