Amazonが『NBA on Prime』を披露…カルヴァーシティで新スタジオと放送体験を公開

　AmazonのPrime Videoは10月15日（現地時間14日）、ロサンゼルス近郊カルヴァーシティのAmazon MGMスタジオで「NBA on Prime Global Launch Event & Junket」を開催し、新番組『NBA on Prime』の放送スタジオと演出コンセプトを世界メディアに初披露した。NBAと11年の長期契約を結んだPrime Videoが“どう見せるか”をテーマにした技術・演出面の発表会となった。

　会場で公開されたスタジオは、約1200平方メートル規模の2階建て構造。NBA公式サイズのハーフコートとゴールを備え、壁面と床面には2300枚を超えるLEDタイルを敷き詰めている。総ピクセル数はおよそ30億に達し、映像の背景を瞬時に切り替えることで、観る者をアリーナさながらの臨場感に包み込む。アナリストがコート上でプレーを再現しながら戦術を解説するなど、これまでにない体験型の中継を可能にする設計だ。

試合の前後にはこのセットからプレビューや解説が行われる [写真]＝Prime Video

　スタジオ内は用途に応じた構造となっており、上階はプレゲーム番組用のアンカーデスク、下階はポストゲーム番組「NBA Nightcap」を収録するラウンジスペース。撮影には22台以上のカメラが投入され、うち10台は大型センサーを搭載したシネマ風カメラを使用。ゴール裏やコート上にもカメラを設置し、プレーの再現シーンでは360度の映像を生成できるという。

　当日のイベントでは、Prime Video Sports部門のジェイ・マリン氏や、番組エグゼクティブプロデューサーのアミーナ・ヒューセイン氏らが登壇。新スタジオの設計思想を説明し、「視聴者をアリーナに最も近づけるスタジオ」を目指したと語った。さらに、ダーク・ノヴィツキー氏（元ダラス・マーベリック）、ブレイク・グリフィン氏（元ロサンゼルス・クリッパーズほか）、スティーブ・ナッシュ氏（元フェニックス・サンズほか）、ユドニス・ハスレム氏（元マイアミ・ヒート）、キャンデース・パーカー氏（元WNBAロサゼルス・スパーク）ら今後中継に携わるNBA・WNBAのレジェンドがゲストとして参加し、レッドカーペットやフォトセッションのほか、コート上でのデモンストレーションを披露した。

『NBA on Prime』では、複数アングルから視聴できる「マルチビュー」機能をはじめ、AIが試合の見どころを抽出する「Key Moments」や「Rapid Recap」などの新機能を導入。ファンベッティングやショッピング連動などのインタラクティブ要素も取り入れ、世界220カ国以上で多言語展開を進めている。