2025.01.08
ロサンゼルス・カルヴァーシティのAmazonスタジオで開催された「NBA on Prime Global Launch Event & Junket」には、番組を彩る豪華な解説陣が顔をそろえた。今シーズンから世界同時に配信が始まる「NBA on Prime」は、伝説的プレーヤーたちが再び集い、最新の映像技術とともに新しいバスケットボール中継の形を打ち出す。その意気込みを語った4人のレジェンド――キャンデース・パーカー(元WNBAライズベガス・エースほか)、ジョン・ウォール(元ワシントン・ウィザーズほか)、ユドニス・ハスレム(元マイアミ・ヒート)、そしてブレイク・グリフィンが(元ロサンゼルス・クリッパーズほか)、それぞれの視点から“新しい時代”の魅力を語った。

パーカーは「日本は大好きな場所」と話してくれた [写真]=Getty Images
WNBAを代表するスターであり、現役時代に数々のタイトルを手にしたキャンデース・パーカーは、「世界中のファンにNBAを届けられることが何よりうれしい」と語る。海外リーグでもプレーした経験を持つ彼女にとって、グローバルな視点でバスケットボールを伝えることは特別な意味を持つ。「私は海外でもプレーしたことがあるから、世界中の人がNBAやWNBAを愛していることをよく知っている。多様な視点からストーリーを伝えられるのはとても楽しいことだと思う」。さらに「プレーヤーとしての経験を生かして、視聴者に“学び”を届けたい」と語り、解説者としての使命感をにじませた。
また、日本のファンへのメッセージを求めると、笑顔でこう話した。「日本は本当に大好きな場所。娘も日本語を勉強しているんです。京都にも行きましたし、アディダスのイベントで日本の子どもたちとバスケをしたこともあります。日本のファンとまたつながれるのが楽しみです」。

優勝候補にナゲッツを挙げたジョン・ウォール [写真]=Getty Images
ジョン・ウォールは、番組のチームとしての多様性と化学反応を強調する。「素晴らしい仲間たちと一緒にやれるのが楽しみだ。ポジションも経歴も違う選手が集まっていて、それぞれの視点からゲームを語れる。Amazon Primeの番組は、他のネットワークとは違う面白さを出せると思う」と語る。
また、優勝争いの行方について聞くと「デンバー・ナゲッツの動きがいい」と明言。「もちろんOKC(オクラホマシティ・サンダー)も強いけれど、補強を含めてデンバーは一段上に行ける」と分析した。最後に「日本の皆さん、NBAをPrimeで見る準備はできていますか? 最高のシーズンになるよ」と呼びかけた。
ユドニス・ハスレムは、近年のNBAの進化を象徴的に語った。「ゲームはどんどん進化している。ポジションの垣根がなくなり、スピードも上がっている。今はAIを使って判定を補助する時代だ。ゴールテンディングかどうかをAIで判断できるなんて、数年前には考えられなかった」。さらに、「バスケットボールは人をつなぐスポーツだ」と国際化の意義にも触れた。「いまNBAにはさまざまな国の選手がいて、言葉や文化の違いを超えて一緒にプレーしている。ファンも同じで、応援するときは国も宗教も関係ないんだ」。
また、リーグ戦の海外開催について聞くと、「メキシコは大好きな国だ。ヒートで遠征したとき、ファンが本当に熱かった。NBAが世界で試合を開くのは素晴らしいアイデアだと思う」と語った。

ブレイク・グリフィンは選手も中継もNBA新時代を感じているようだ [写真]=Getty Images
ダンクコンテストを沸かせた往年のスター、ブレイク・グリフィンは、今シーズンのNBAを「過去と未来が交わる年」と表現する。「ベテランのレジェンドがまだ現役で戦っている一方で、新しい世代が台頭してきている。若い選手たちの勢いはすごいし、これからのNBAがどんな形に進化していくのか、本当にワクワクしている」。
さらに、日本のファンへのメッセージには、長年リーグを支えた選手らしい温かみがあった。「日本のファンはとても情熱的だと聞いている。いつかもっと多くのNBAの試合が日本で開催されるといいね。僕たちは皆さんのサポートに感謝しているよ」。
グリフィンの言葉に象徴されるように、NBA on Primeが目指すのは、かつてない“距離の近い”バスケットボール中継だ。プレーヤーとしての経験とグローバルな視野を持つ解説陣が、テクノロジーと物語性を融合させて試合を語る――その新しい放送の形が、世界のバスケットボールファンをさらに結びつけていくことになりそうだ。
文=入江美紀雄
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