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八村塁がベンチからの出場を受け入れる「スタートよりも誰が締め括るか」

名門クラブでの役割を模索してきた八村 [写真] = Getty Images

 八村塁がゲームで大切なことは、先発することでもなく、得点を決めることでもなく、目の前の試合に勝利すること、ただひとつのようだ。

 日本の至宝はケガから復帰以来、セカンドユニットでの起用が続いている。注意を払うべき負傷だったこともあり、プレータイムも30分未満にセーブされているが、JJ・レディック ヘッドコーチは、ルカ・ドンチッチレブロン・ジェームズの二大巨頭の欠点であるディフェンスの穴を埋めるべく、ジェイク・ラレイビアやマーカス・スマートをスターターに抜擢している。

 だが、八村にとってスターターであることは重要ではない様子だ。ダラス・マーベリックスとの一戦で逆転勝利に大きく貢献した後、『The Athletic』に対して印象的なコメントを残している。

「多くの人はスタッツとかそういう類のことを考えますけど、自分にとっては勝つことが最優先です。それが結局、みんなの稼ぎにも繋がるわけですから。それに、特にこのセカンドユニットだと自分もボールに触れる機会が増えます。どちらかと言えば、誰が試合を締めるのか、あるいは誰がより長く出場するのか。僕にとっては、そちらのほうが重要です」

12月末から負傷離脱しているリーブス [写真] = Getty Images

 昨年12月上旬、八村は好調とは裏腹に試投数の少なさが取り沙汰された。チームはドンチッチ、レブロン、そして現在はケガで戦線を離脱しているオースティン・リーブスの使用率が極めて高く、ドンチッチの使用率が38パーセント、レブロンとリーブスが28パーセントであるのに対して、八村はわずか15パーセントしかない。ワシントン・ウィザーズのラストシーズンが使用率23パーセントであったことを考えれば、現在の八村はいかにオフェンスでの“待機時間”が長いかが分かるだろう。

 だが、八村の発言を伝えた『The Athletic』のレイカーズ担当、ダン・ウォイク記者は、八村が待つ時間が長い局面でも、試合から消えない術を身につけている点を高く評価する。そして、これには八村自身も成長と変化を実感しているようだ。

「面白いですよね。慣れたのだと思います。ここに来て4年になりますが、最初の3年は自分が何をすればいいのか分かりませんでしたから。『クォーター全体でボールに触れる機会がなければ、もう自分は終わりだ。試合に何も貢献できない』というような感じでした。でも、今は慣れました。メンタルの問題だと思います。今は『この試合に勝つために自分は何ができる?リバウンドか、ボックスアウトか、ヘルプディフェンスか』と考えるようにしています。そういう小さな動きが、自分を試合の中に留めてくれるんです。だから、ボールが回ってきたときも、まだリズムの中にいられるんです」
 
 スター主導のオフェンスで存在価値を示すには、ボールが来ない時間にどれだけチームへ貢献できるかが問われる。八村はその適応を積み重ね、ようやく答えに辿り着いたようだ。

好調を保っている3ポイント [写真] = Getty Images

 続く1月27日(現地時間26日)のシカゴ・ブルズ戦もベンチから約29分の出場となったが、この日も八村はセカンドユニットから試合のリズムを掴み、フィールドゴール成功率、3ポイント成功率共に8割を超え、23得点をマークした。ジャレッド・ヴァンダービルトが輝くディフェンス的な試合展開でも、八村のスペーシングとサイズは別軸の武器になる。

 先発やベンチは関係なく、結局は誰が最後にコートに立つか。レイカーズはこれから、その最適解を探すフェーズに突入する。

文=Meiji

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