2019.10.23
昨季のNBAファイナル第6戦。ゴールデンステイト・ウォリアーズ不動の先発シューティングガード、クレイ・トンプソンは左膝前十字じん帯を断裂し、無念の戦線離脱でキャリア8シーズン目を終えた。
今夏、制限なしフリーエージェント(FA)となったトンプソンは、複数の現地メディアから「残留濃厚」と報じられていたものの、決して「残留確実」という見方ではなかった。
だがウォリアーズは、FA交渉解禁早々にトンプソンと5年1億9,000万ドル(約201億4,000万円)のマックス契約を締結することに成功。
ウォリアーズの筆頭オーナーを務めるジョー・レイコブは、トンプソンとの再契約について「私の中でまったく懸念はなかった。我々はクレイへずっとここにいてほしいと思っていた。世界中で見ても、彼は私にとって大好きな選手の1人だからね」と『The Warriors Insider Podcast』へ語っていた。
トンプソンはウォリアーズの5年連続ファイナル進出という偉業の中で、ステフィン・カリー、ドレイモンド・グリーンと共に重要なコアを務めた選手。これまでのキャリアにおいて、優勝3度、オールスター選出5度、オールNBAチーム選出2度に加えて、昨季は自身初となるオールディフェンシブセカンドチームにも選ばれたリーグ有数のシューティングガード。
左膝の前十字じん帯断裂(ACL)により、トンプソンは来年2月、あるいは3月まで欠場することになるのだが、「多くの選手たちがACLから復帰し、すばらしいプレーを見せてきた」とレイコブは語っており、トンプソンのケガは再契約するうえで影響がなかったと明かしている。
また、9月1日(現地時間8月31日)に地元メディア『NBC SPORTS BAY AREA』へ掲載された記事の中で、レイコブはトンプソンを高く評価していたので紹介したい。
「個人的な見方なんだが、私は彼こそがベストなシューティングガードだと思う。今はポジションレスなバスケットボールが展開されていることはわかっているけど、私はあえてポジション別に見ている。私にとって、地球上で最高のシューティングガードは彼だと思う。彼は(オフェンスとディフェンスの両面において優れた)2ウェイプレーヤーなんだ」とレイコブ。
トンプソンが攻防両面に秀でた選手なのは間違いないだろう。2年連続で得点王を獲得しているジェームズ・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ)ほどの得点力はなくとも、トンプソンは平均20得点以上を5シーズン連続で記録しており、カリーと共に7シーズン連続で200本以上の3ポイントを成功させているだけでなく、いずれも成功率40パーセント以上と、質・量ともにリーグ最高級のシュート力を持っている。
ディフェンスではスイッチして複数のポジションをガードでき、ファウルで相手選手にフリースローを与えず、ショットミスを誘発させることができるため評価が高い。
6年連続のNBAファイナル進出、そして2シーズンぶりの覇権奪還を目標に掲げるウォリアーズにとって、今季トンプソンがどのタイミングで復帰できるかは、大きなターニングポイントになるだろう。
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