2021.02.26
レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)は、36歳とは思えない超人的なプレーを継続中だ。2020-21シーズンのこれまでのスタッツは、1試合平均25.6得点、8.2リバウンド、7.9アシスト。もうひとりの大黒柱であるアンソニー・デイビス(ロサンゼルス・レイカーズ)をケガで欠くなか、獅子奮迅の活躍でチームをけん引し、MVPレースでも堂々の1位に君臨している。
しかし、遡ること10年前、レブロンはNBAでのキャリアに終止符を打ち、アメリカ3大スポーツのひとつであるNFL(プロアメリカンフットボールリーグ)への転身を考えていたという。
このストーリーを紹介したのは他でもない、NFLのオフィシャルサイトだった。当時、マイアミ・ヒートに所属していたレブロンは、ダラス・マーベリックスにリーグ優勝を譲ったことの責任を問われていた。また、2011年と言えば、NBAとリーグの選手会の労使協定で折り合いがつかず、ロックアウトが起きたシーズン。たとえキングと言えど、ファンの前でプレーしたくてもできない状況には大きな不安を覚えたはずだ。
こうした要因が重なり、レブロンはNFLへの道を真剣に模索した。同選手はアメリカンフットボーラーへの転身について「いつも考えている」とコメントしたうえで、当時の心境をこう振り返っている。
「どこかのチームには入れたんじゃないかな。もしトライアウトに参加していればだけどね。そもそも、俺は何かのために努力するのを惜しまない。(ダラス・)カウボーイズか(シアトル・)シーホークスのトライアウトを受けるか、家にいてクリーブランドに帰るかなら、トライアウトを選択していたはずし、どこかに所属できただろう。俺は自分がフットボールのフィールドで何ができるかを理解していた。当時の年齢を考えてみてもね」
学生時代、レブロンはバスケットプレーヤーのみならず、アメフトのワイドレシーバーとしても非常に優秀な選手だった。NFLによれば、オハイオ州立やノートルダム、ミシガン、フロリダを含む大学各校は、レブロンを本気でリクルートしていたという。
「NBAチームを所有したいという願望を抱く前は、高校のフットボールコーチになることがどれほどクールなことかをしばしば口にしていた。ヘッドコーチでも、オフェンシブコーディネーターでもいい。アンディ・リードのように、クレイジーなプレーをメイクしたいんだ。俺はただただスポーツを愛していて、暇さえあれば観戦している。スポーツはいつも俺の中に存在して、スポーツが俺を育てたんだ」
もしも、レブロンがNFLに転身したら、現代のNBAはどのような勢力図を描いていたのだろうか。いずれにせよ、マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)のベースボールキャリアよりは成功を収めたに違いない。
文=Meiji
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