2023.05.01

昨季覇者ウォリアーズと百戦錬磨レブロン率いるレイカーズが激突/ウェスト準決勝展望②

ウォリアーズのカリー(左)とレイカーズのレブロン(右)[写真]=Getty Images
フリーライター

ウェスタン・カンファレンス・セミファイナル展望②
上位シード相手にアップセットを達成したウォリアーズ×レイカーズ

 5月1日(現地時間4月30日、日付は以下同)。「NBAプレーオフ2023」ファーストラウンド全8カードで、唯一となる最終第7戦までもつれたウェスタン・カンファレンス第3シードのサクラメント・キングスと第6シードのゴールデンステイト・ウォリアーズによるシリーズに決着がついた。

 昨シーズンの覇者ウォリアーズは敵地で迎えた第7戦でステフィン・カリーが50得点に8リバウンド6アシストの超絶パフォーマンスでチームを引っ張り、最終スコア120-100でモノにし、4勝3敗でシリーズを突破。

 このシリーズで、ウォリアーズはカリーが平均33.7得点4.9リバウンド4.9アシスト、クレイ・トンプソンが同20.6得点、アンドリュー・ウィギンズが同18.1得点5.9リバウンド1.9ブロック、ドレイモンド・グリーンが同9.5得点6.2リバウンド8.0アシスト2.0スティール、ケボン・ルーニーが同15.1リバウンド4.3アシストをマーク。

 一方のレイカーズは、ミネソタ・ティンバーウルブズとのプレーイン・ゲームを制して第7シードを勝ち取り、第2シードのメンフィス・グリズリーズを4勝2敗で撃破。第1戦が八村塁(29得点)、第2戦がレブロン・ジェームズ(28得点)、第3、5戦がアンソニー・デイビス(いずれも31得点)、第4戦がオースティン・リーブス(23得点)、そして第6戦ではディアンジェロ・ラッセル(31得点)と、5選手がチーム最多得点を奪っている。

 シリーズ平均ではレブロンが22.2得点11.2リバウンド5.2アシスト1.3ブロック、デイビスが20.8得点13.7リバウンド1.3スティール4.3ブロック、ラッセルが16.7得点5.8アシスト、リーブスが16.5得点5.3リバウンド5.0アシスト、そして八村が14.5得点4.7リバウンドにいずれもチームトップのフィールドゴール成功率56.9パーセント、3ポイントシュート成功率52.4パーセントをマーク。

 ともに1回戦で上位シードのチームを下したウォリアーズとレイカーズによるカンファレンス・セミファイナルは、3日にウォリアーズのホーム、チェイス・センターで幕を開ける。

今年のプレーオフで八村は高確率にショットを沈めている[写真]=Getty Images

2010年代後半に頂上決戦で4度も対戦したウォリアーズとレブロン
経験豊富なベテラン陣を軸とした白熱のシリーズに期待は高まるばかり

 レギュラーシーズンの直接対決はレイカーズの3勝1敗。カリー、レブロンはいずれもそのうち2試合ずつ欠場しており、最後の顔合わせとなった3月6日の試合ではデイビスが39得点8リバウンド6アシストの大活躍でレイカーズが制している。

 このシリーズを語るうえで不可欠なのは、カリー、レブロンという現役最高級のスーパースターがプレーオフのシリーズで対戦すること。クリーブランド・キャバリアーズ在籍時、レブロンは2015年から2018年まで4年連続NBAファイナルという頂上決戦でウォリアーズと対戦しており、今回はプレーオフという大舞台でカリーらと約5年ぶりの競演となる。

「俺たちはポストシーズンの経験をあまり多く積んでいない若いボールクラブなんだ」とレブロンが語ったとおり、現在のレイカーズはレブロンこそ歴代トップの272試合のプレーオフ出場経験を持つものの、そのほかの選手たちは豊富とは言えず、2020年にレイカーズで優勝したデイビスが45試合、レギュラーシーズン最終日に契約したトリスタン・トンプソンが2016年にレブロンらとともにキャブズで優勝し、計88試合に出場しているものの、レイカーズでは試合には出ていない。

 とはいえ、プレーオフ出場試合数で歴代最多、優勝4度、NBAファイナル10度進出を誇るレブロンの存在はやはり特別で、レイカーズを見事に束ねている。2015年のNBAファイナルで初対戦してから約8年が経過し、今年カンファレンス・セミファイナルでレブロンと対戦するグリーンはこう話す。

「俺たちはプレーオフのシリーズで初めて対決してから8年間が経ち、今でもそのレベルでプレーしている。それは特別なことなんだ」

「究極の競争相手について話す時、レブロンはその1人なんだ。ステフ、クレイ、俺もな。そしてこういう機会は決して当たり前のように起こることじゃない」

ウォリアーズで4度の優勝を誇る4選手(左からイグダーラ、グリーン、トンプソン、カリー)[写真]=Getty Images

 ウォリアーズに所属するカリー、トンプソン、グリーン、左手首を手術して欠場中のアンドレ・イグダーラ、そしてレイカーズのレブロンは現役最多タイとなる4度の優勝経験を誇るベテラン。チームとしての経験ではウォリアーズに分があるが、レブロンはレイカーズの選手たちを短期間でも成長させることができるほど、その影響力は絶大で、スーパースターたちがコート内外で見せるパフォーマンスは必見だ。

 現時点における現地メディアの勝敗予想は『NBA.com』が4勝2敗でウォリアーズ、『The Sporting News』では5名がウォリアーズ、1名がレイカーズ勝利で、いずれも6戦以降の決着としていることから、両チームによるシリーズはもつれる様相となっている。

 なお、ウォリアーズではウィギンズの攻防両面にわたる活躍やジョーダン・プールの得点力、ルーニーの献身的な働き、ゲイリー・ペイトン二世のハッスルプレー、レイカーズでは日本人NBA選手として初のカンファレンス・セミファイナルに出場する八村、カリーへの刺客として期待されるジャレッド・バンダービルトやタフなディフェンスを見せるデニス・シュルーダー、そしてリーグ最高級のビッグマンとして知られるデイビスなど、彼らがシリーズのなかでどんな活躍を見せてくれるかも注目していただきたい。

文=秋山裕之

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