2023.05.01

キングスとの第7戦で圧巻の50得点を奪ったカリー「僕らはオッズに逆らっているんだ」

シリーズ第7戦で超人的な活躍を見せたカリー[写真]=Getty Images
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プレーオフの第7戦としてデュラント超えの史上最多得点をマーク
同僚は「ステフのゲームとして、一生忘れない第7戦になるだろうね」

 5月1日(現地時間4月30日、日付は以下同)にゴールデン1・センターで開催されたゴールデンステイト・ウォリアーズとサクラメント・キングスによる「NBAプレーオフ2023」ファーストラウンド第7戦は、NBAに新たな歴史が刻まれることとなった。

「彼がMVPに2度、ファイナルMVPにも輝いたことには理由がある。彼が僕たちを、こうやって限界を超えるようにプッシュしてくれたのさ。彼がゾーンに入っている時は、彼に得意なスポットへ行ってもらい、ボールを渡すようにするだけ。今夜はステフ・カリーのゲームとして、一生忘れない第7戦になるだろうね」

 試合後にそう語ったのは、ウォリアーズで“スプラッシュ・ブラザーズ”の一角を務めるクレイ・トンプソン。そのトンプソンが口にした“彼”とはもちろん、バックコートの相棒ステフィン・カリーだ。

 3勝3敗で迎えた第7戦。ウォリアーズはこの試合を落としてしまえば2連覇の夢が終わりを迎えるという窮地だったのだが、カリーはレギュラーシーズンも含めて自己最多となる38本のショットを繰り出した。

 だがこの日のカリーはまさに超人的で、37分40秒コートに立ってフィールドゴール成功率52.6パーセント(20/38)、3ポイントシュート成功率38.9パーセント(7/18)、フリースロー成功率60.0パーセント(3/5)で圧巻の50得点に8リバウンド6アシストという超絶パフォーマンス。

キングスとのシリーズ最終戦でショットの雨を降らせたカリー[写真]=Getty Images

 昨シーズンの覇者ウォリアーズはカリーの大活躍に加え、アンドリュー・ウィギンズが17得点7リバウンド、トンプソンが16得点5リバウンド、ケボン・ルーニーが11得点21リバウンド4アシスト、先発へ復帰したドレイモンド・グリーンが8得点6リバウンド8アシスト2スティールを残し、120-100でキングスを下した。

 なかでもカリーはプレーオフという大舞台、しかも雌雄を決する第7戦という重要な一戦で、NBA史上最多得点記録を塗り替えてみせた。これまでの最多記録保持者はブルックリン・ネッツ時代の2021年のカンファレンス・セミファイナル第7戦でミルウォーキー・バックスとの延長の末にケビン・デュラント(現フェニックス・サンズ)が奪った48得点。

 ディフェンディング・チャンピオンとして、カリーは敵地で驚異的なパフォーマンスを見せつけて、ウォリアーズをロサンゼルス・レイカーズが待ち構えるカンファレンス・セミファイナルへ導いたのである。

 殊勲の働きを見せたカリーは「僕らは今もなおハイレベルなプレーをすることでオッズに逆らっているんだ。誰もが僕らの失敗を見たがっているのは知っている。それは自然の流れのようなものであり、僕らは今その位置にいる。けど僕らは多くの人たちにそれが間違っているんだと証明する時が大好きなんだ。それが今の僕らの雰囲気の一部なのさ」と、誇らしげに語っていた。

 そんなカリーについて、ウォリアーズの指揮官として9シーズン目のスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)は現役時代にシカゴ・ブルズでチームメートとして過ごしたマイケル・ジョーダン(元ブルズほか)の名を挙げていた。

「彼が私を驚かせることはない。我々はみんな、彼の活躍は当然のことと考えている。それは毎晩見事な活躍をしてくれているからであり、我々はそれを10年間にわたって見てきた。時折、歴代最高の選手の1人のことを思い出させてくれる。私にとってはマイケル・ジョーダンと現役時代にプレーしていた頃のことなんだ」

 指揮官からの賛辞ながら、ジョーダンを引き合いに出されるのはカリーにとってもうれしいに違いない。そのカリー擁するウォリアーズは、3日にホームのチェイス・センターでレブロン・ジェームズ率いるレイカーズとの初戦を迎える。

 カリーとレブロン。2015年から2018年にかけて、4年連続NBAファイナルで競演してきたスーパースターたちによる約5年ぶりの対決は、大いに盛り上がることだろう。

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