2023.09.27
クリス・ポールのゴールデンステイト・ウォリアーズ加入は、今夏のマーケットで最も意外性を感じたトレードかもしれない。ポールとウォリアーズ一同が長年犬猿の仲にあるのは周知の事実であり、コートの内外では数々の舌戦が繰り広げられてきた。
しかし、味方につければ、この上なく心強い存在であることは事実である。12度のオールスターが誇る類稀なゲームメイキングとミスの少なさは、NBAの長い歴史においても屈指のものであり、オール・ディフェンシブ・ファースト・チームには7度も選出。もし仮に、マイケル・ジョーダン氏(元シカゴ・ブルズほか)をシューティングガードの理想系とするのであれば、ポールもまた、ポイントガードにおいては神の領域に到達している。
ウォリアーズの指揮官を務めるスティーブ・カーヘッドコーチは、『Sports Illustrated』との会話で、“CP3”がチームにどのような影響をもたらすかを説明した。
「クリスは信じられないほどの競争者です。私の考えでは、彼は史上最高の競争心を持つ1人だと思います。非常に頭のいい選手で、試合をコントロールし、常に3ステップ先を考え、中距離では必要なショットを何でも決めてしまいます」
「昨年の我々のチームは、別の手段で攻撃を行う必要がありました。ステフ(ステフィン・カリー)がハイボールスクリーンでプレーしすぎたと感じています。我々は新たなプレーメーカーとして、異なる展開を提供してくれる選手を求めていたのです」
クレイ・トンプソンも、38歳のベテランガードとともにプレーすることを待ち望んでいるようだ。スプラッシュ・ブラザーズは、ポールを「史上最高の選手の1人」と高く評価しており、チームが求める人材だったと語った。
「NBAの75周年チームに選出されたプレーヤーであり、彼がポイントガードを務めることで、ありとあらゆるフランチャイズが成長してきました。シューターとして、僕も興奮しています。CPは正確な位置にパスを放つので、素晴らしいセットアップを提供してくれるでしょう」
「そして、彼は勝者です。僕は彼と何度も対戦するなかで、どれほどの競争心を秘めているかを目の当たりにしてきました。彼は勝つために何でもします。それこそ、僕らの求めるスタイルなのです」
年齢的にもすでにキャリア終盤にあるポールだが、依然として優れたコートリーダーであり、カリーやトンプソンを含む主力選手たちの負担を軽減すると同時に、ロールプレーヤーや若手にも輝きをもたらすだろう。
また、これまでのキャリアでチャンピオンリングにだけ見放されてきたポールにとっても、ウォリアーズでのプレーが最後のチャンスになるかもしれない。
百戦錬磨の“CP3”を迎えたウォリアーズの実力やいかに。
文=Meiji
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