2023.08.24
ダーク・ノビツキー(ダラス・マーベリックス)氏は、その偉大なキャリアにより、バスケットボールの殿堂入りを果たした。
マブス一筋を貫いた正真正銘のフランチャイズプレーヤーは、14回のオールスター選出、12回のオールNBA入り、ファイナルMVPとレギュラーシーズンMVP、そして球団史上唯一のチャンピオンリング獲得などを21年間のキャリアで築き上げた。また、シグネチャームーブのフェイダウェイジャンパーやアウトサイドなど、サイズに似つかないスコアリング能力は、ビッグマンのあり方に大きな変革をもたらしたと言える。
そのノビツキー氏は現役時代、リーグでは珍しい41番という背番号を着用。例えば、マイケル・ジョーダン(シカゴ・ブルズほか)氏は兄への憧れから23番を愛用し、コービー・ブライアント(ロサンゼルス・レイカーズ)氏はキャンプで着用していた143番の数字それぞれを足してデビュー当時に8番を選択したなど、様々な逸話が存在する。ノビツキー氏はなぜ、41番を選んだのだろうか。
「父がハンドボールで背番号11を着用していたので、もともとは私も11番をつけてバスケットボールをプレーしていました。そこから1992年のオリンピックでチャールズ(バークレー/フィラデルフィア・セブンティシクサーズほか)のプレーを見て、14番に切り替えました。なので、国際大会でずっと14番を着用してきた理由は、チャールズの影響です。ダラスに入団する際にも14番を着用したかったのですが、当時チームメートだったロバート・パック(マブスほか)がすでに14番を着用していました。彼は私に『ルーキーに俺の背番号は渡せないな』と言いましたね。だから、私は数字を反転させて41番を選択したのです」
ノビツキー氏がプレースタイルもサイズも違うバークレー氏に憧れたことは意外だが、彼が現役時代に着用した41番と14番は、マブスおよびドイツ代表でそれぞれ永久欠番となっている。
また、『Basketball-Reference.com』によると、NBAおよびABAで41番を着用した選手はノビツキー氏を含め110人が存在。著名な選手では、ワシントン・ウィザーズで八村塁(現レイカーズ)を指導したウェス・アンセルド・ジュニア氏の父や、レイカーズでコービー氏やシャキール・オニール(レイカーズほか)氏とともにオフェンスをけん引したグレン・ライス(レイカーズほか)氏などが挙げられ、現役選手ではアトランタ・ホークスに所属するサディック・ベイも印象的だろう。
いつの日か、ノビツキー氏に憧れたヨーロッパ出身のビッグマンが41番を選び、NBAで躍動するかもしれない。
文=Meiji
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