2024.08.13
男子バスケットボール日本代表は、悲願のオリンピック初勝利まであと一歩だった。第4クォーター終了間際までは僅差でリード。この試合好調だったエース八村塁の退場と、不幸な笛という不運が重なり、オーバータイムの末に惜敗となったが、何かが掛け違えれば、結果は異なっていただろう。
『The Athletic』も日本の健闘を讃えている。開幕前の『ESPN』のパワーランキングでは最下位の評価を受けたAKATSUKI JAPANだが、29得点、7リバウンド、6アシストを記録した河村勇輝の獅子奮迅の活躍もあって、開催国相手のジャイアントキリングは限りなく起こり得るような状況だった。
この試合、チームハイの18得点を記録したビクター・ウェンバンヤマも試合後に苦戦を強いられたことを認めている。延長戦での変化について問われた昨シーズンの新人王は、勝因をこのように分析している。
「難しいですが、試合のダイナミズムを理解したことでしょうか。彼らはアンダードッグのようにプレーしており、僕らも日本代表が繰り出すパンチを待ちすぎていた気がします。だから、延長戦では自分たちで得点を決めて終わらせたかったし、それがうまくいったと思います」
試合中、ウェンバンヤマも心中穏やかではなかっただろう。圧倒的な身長差でペイントエリアを制圧する予定だったはずだが、前半は八村が、後半はジョシュ・ホーキンソンがそれぞれ執拗に身体を寄せて自由を与えず。コート上での顔色は決して明るいものではなかった。
サンアントニオ・スパーズの背番号1は、試合の前後で日本に対する印象が変わった様子で、日本のプレーに賛辞を送った。
「彼らは間違いなく、自分たちのスタイルを極めています。パリで日本と対戦したことのある選手たちを除けば、このようなチームを経験したことがないのではないでしょうか。日本代表は、自分たちの強みを活かす術を熟知していますね。僕らも彼らから学ぶことができました」
NBAに戻れば再び八村とのマッチアップが控えているほか、大きなインパクトを残した河村もメンフィス・グリズリーズでロスターの枠を獲得する可能性を秘めている。もし再び日本人プレーヤーと対峙するとき、ウェンバンヤマはパリオリンピックの経験をもとに、チームに注意喚起を求めることだろう。
文=Meiji
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