2025.07.01

“223cm”難敵相手でも「いけるかもしれない」日本代表の渡嘉敷来夢は3Pにも意欲

女子日本代表の渡嘉敷来夢[写真]=田島早苗
フリーライター

■中国遠征の様子をチェック

 7月3日と4日に行われる『三井不動産カップ 2025(東京大会)』に向けて第4次強化合宿中のバスケットボール女子日本代表。7月13日からは中国・深圳で開催される『FIBA女子アジアカップ2025』が控えており、アジア女王奪還に向けてチーム力のアップを図っている。

 この第4次合宿の前には中国遠征が行われ、女子中国代表と2度対戦。このとき中国チームの注目となったのが身長223センチのチャン・ツーユーで、昨年の女子U18アジアカップで日本は対戦していたものの、トップチームが対戦したのは初となった。中国遠征を若手中心で挑んだ日本は、栗林未和(東京羽田ヴィッキーズ)や朝比奈あずさ(筑波大学)らが体を張って対抗。しかし、その高さは脅威となって日本を襲った。

 中国遠征には不参加も、第4次強化合宿に名を連ねている渡嘉敷来夢(アイシンウィングス)は、その試合を映像で見ており、チャンについては「率直にイメージでは『あ、ブロックできるな』というのと、『いけるかもしれない』と感じました。ただ、それは今からポジティブに気持ちを作っていかないといけないからそう思っているのもあります。でも、もう楽しみで仕方がないという感じですね。栗林たちが本当に体を張って頑張っていたので、自分も対戦できたらいいなと思っています」と、語った。

昨年の女子U18アジアカップで日本代表の前に立ちはだかったチャン・ツーユー[写真]=fiba.basketball


 もちろん、日本も女子アジアカップに向けた最終メンバーは決まっていないように、中国代表も最終エントリーの発表はされていない。そのため、チャンがアジアカップに参戦するかは未定だが、それでも中国代表には200センチを超える選手がほかにもおり、そうした高身長選手とのマッチアップは渡嘉敷にとっても気持ちを昂らせるものとなっている。

■新たな刺激「本当にいい時間をいただくことができた」

 コーリー・ゲインズヘッドコーチを新指揮官に迎えた女子日本代表は、25名の女子日本代表候補選手から6月の『三井不動産カップ 2025(愛知大会)』、中国遠征、そして7月の『三井不動産カップ 2025(東京大会)』と、それぞれメンバー編成を変えて臨んでいる。渡嘉敷は中国遠征に参加しなかったのだが、こうした活動方法はこれまでの女子日本代表ではなかったため、活動に参加していない期間をどのように過ごすかもまた選手たちにとっては新しい経験だったといえよう。

 それでも、「アイシンのチームがもう始動していて、BT(テーブスディレクター)も来ているので、3ポイントシュートのフォームを見てもらいました。練習もハードにできたし、休みながらもしっかりとコンディションを上げていくことができて、本当にいい時間をいただくことができたと思っています」と、渡嘉敷にとってはプラスの時間となったようだ。

 今の日本代表はポジションレスも目指すスタイルの一つ。それについて「自分のプレーの幅も広がるし役割も増えていくので、そこでしっかりと期待に応えていきたいと思っています」と、渡嘉敷は意欲を見せる。また、ポジションレスになったからこその自身の“変化”について問うと、「一つあるとすれば、『おお、3ポイント打ったじゃん』っていうところだと思います。自分の良さは高さと、その高さにスピードがあるところ。それとディフェンスとリバウンドだと思っているので、そこは絶対にブレちゃいけないですし、そこだけは日本でも一番できると胸を張ってやってきているので絶対変えないです。それにちょっとプラスで3ポイントを空いたら打つという感じでいられたら。この身長で走り続けることも止めずに頑張りたいです」と、頼もしい言葉が返ってきた。

さらなる成長を目指す渡嘉敷来夢[写真]=黒川真衣


 一方で、3ポイントシュートに関しては、「いくら自主練習でできてると言ったとしても、ディフェンスがいないし、ゲームではない。(練習で)打っている本数や時間も増えていますが、試合だけを見たら(ここ数年変わらず)一緒なんで、何とも言えないですね。だからあとは試合で打っていき、その中で自信をつけて結果を出していくことだと思います」とも冷静に語った。

「今のチームはコミュニケーションが結構とれているのですが、ここからよりグレイトなチームにするためにももっとコミュニケーションが必要だと思います」と、チームとして成長するポイントにコミュニケーションを挙げた渡嘉敷。

「優勝するだけです。自分自身アジアカップに悪いイメージを持っていないので、そういうメンタリティをみんなに伝えつつ、もう一回全員で頂点立ちたいです」と、日本のリーダーは7月の決戦に向けて気持ちをさらに引き締めていた。

取材・文=田島早苗

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