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【Bプレミアクラブ展望】シーホース三河「“殻”を破れるか…新体制で越えたいポストシーズンの壁」

まだ見ぬ景色を目指す三河[写真]=B.LEAGUE
ライター・カメラマン

「頭がすごく疲れます」

 安齋竜三ヘッドコーチ(HC)のバスケについて問うと、長野誠史はそう語った。

「安齋さんが求めているディフェンスの立ち位置やオフェンスのスペーシングはライアン(・リッチマン前HC)とは違うので。でも、この3年間で染み付いているものがあるから、どうやって動けばいいかを考えながらやっているので、みんな疲れているんだと思います」

 シーホース三河はリッチマンHCのもと3年連続でチャンピオンシップ(CS)出場を果たし、確かな土台を作り上げてきた。しかしCSでは3年連続で1勝もできず、新アリーナが開業する2028-29シーズンまでに優勝できるチームを作るため、今シーズンからはリーグ優勝経験を持つ安齋HCと佐々宜央アソシエイトヘッドコーチに舵取りを任せた。

 リッチマンHC体制の3シーズンは、ほぼ同じロスターで戦ってきた。今シーズンも新加入は小阪彰久平良彰吾ショーン・オマラの3選手のみ。積み上げてきた強固な土台があるからこそ、その“癖”を取るには少し時間を要するかもしれない。

 新指揮官はどのようなバスケットを目指すのか。プレシーズンに行われた京都ハンナリーズ戦、「AICHI CENTRAL CUP 2026」を見る限り、その輪郭はまだおぼろげだった。

 安齋HCも「これまでの良い部分は取り入れて、完全に変えようとは思っていないが、ライアンコーチのスタイルと僕らのプレースタイルは違う。その変化の中で、選手が気持ちよくプレーできていないのは感じているので、コミュニケーションをとりながら、少しずつ改善していきたい」と語る。

 ただ、一つ明確に変わったと感じたことがある。緩みを許さない「厳しさ」だ。たとえば京都戦、自分たちが得点をした後すぐに相手に走られて失点した場面で安齋HCは間髪入れずにタイムアウトを取った。

 角野亮伍によると、その週の練習で「言われたばかりだった」という。「例えばノーマークのゴール下で、絶対に決められたなという場面でも、手が滑って外して、リバウンドを決められてしまうことがあると思うんですけど、何があるかわからないから、常に気を抜かず、最後までやりきろうよと」。まさに佐古賢一社長兼ゼネラルマネージャーが求める「厳しさ」を新首脳陣は徹底しようとしている。

 頭が疲れるほどの試行錯誤は、チームが本気で変わろうとしている証でもある。3年間の殻を脱ぎ捨てた先にこそ、跳ね返され続けたポストシーズンの壁を越える道がある。

■キープレーヤー/SG・SF #18 角野亮伍

■キープレーヤー/SG・SF #18 角野亮伍

[写真]=B.LEAGUE


 在籍6年目の今シーズン、ダバンテ・ガードナーとともに副キャプテンに就任した。その決意の裏には、昨シーズンのCSでプレータイムを得られなかった苦い経験を経て、「変わりたい」という強い思いがある。

「僕はプレーがうまくいかなかった時に自分のことだけを考えてしまうところがあって、それが周りによくない影響を与えている意識はありました。副キャプテンという役職をやることで、少しでも周りに目を向けられるようになれればと」

 学生時代からオフェンス面で注目されてきた角野だが、安齋HCからは192センチのサイズと脚力を生かして外国籍ウイングを守れる選手になることを求められている。30歳のスコアラーにとって勝負の1年になる。

文=山田智子

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