2021.05.19
5月2日、ホームの船橋アリーナで千葉ジェッツがアルバルク東京と対戦。今シーズン、最後の顔合わせとなるこの試合はオーバータイムまでもつれる大接戦となった。
前日の敗戦でチャンピオンシップ(CS)進出を逃したA東京だったが、それを感じさせない試合の入りを見せる。むしろその敗戦から修正を施し、ティップオフ直後からデション・トーマス、小島元基が3ポイントシュートを次々とヒット。第2クォーター開始早々にはこの試合最大となる13点ものリードを奪った。
しかし、千葉は決して諦めず、そして慌てていなかった。千葉は第2クォーター残り4分3秒にセバスチャン・サイズのジャンプシュートで逆転すると、試合は一進一退の展開となる。この日のA東京は3ポイントが好調で、48.1パーセントの確率で長距離砲を沈めた。対する千葉はシュートのこぼれ球にセバスチャン・サイズ、ギャビン・エドワーズ、ジョシュ・ダンカンが反応。セカンドチャンスをものにして主導権を渡さない。
A東京の7点リードで迎えた第4クォーター、千葉は持ち前のディフェンスからアップテンポのオフェンスを繰り出し、ゴール下でダンカン、エドワーズが得点を重ねると一気にビハインドを縮めていく。そして、コー・フリッピンのフリースローで逆転に成功。ここから試合は入れられたら入れ返す展開となった。
残り2秒、逆転を狙って富樫が放った3ポイントはリングをたたくも、リバウンドの奪い合いで千葉ボールに。そしてゴール下から富樫のスローインを受けたエドワーズがゴールをねじ込み、95−95でオーバータイムに突入した。
試合後のメディア対応した富樫は「(A東京とは)ロースコアの競り合いはこれまでも何度もありましたけど、100点ゲームになるのは記憶にないです。それだけ自分たちのオフェンスが機能したとも言えますが、失点が多いのは課題とも言えます」と振り返った。
コロナ禍の影響で試合の中止が重なり、その代替試合により過密日程を強いられている千葉。「疲れている選手もいるけど、勝っている中、手応えを感じています」と、6連勝中のチームに自信を見せた。
今の富樫にとってモチベーションになっているのが「ホームでのCS開催」だという。現在、川崎ブレイブサンダースの猛追を受けているが、東地区2位を維持して船橋のファンの前で戦うことを目標にしている。
「本当はセミファイナルもホームで戦いたかったのですが、それは(自力では)かなわなかったので、ぜひともクォーターファイナルはホームで戦いたい。そのためにも残り3試合、全力で戦います」
東地区の最終順位が決まるのは5月10日の最終戦までもつれそうな様相を呈している。千葉によって苦しい状況に違いはないが、富樫の表情は充実しているように見えた。
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