2023.04.07
滋賀レイクスは1月6日、湧川颯斗の記者会見を滋賀ダイハツアリーナにて実施した。
福岡大学附属大濠高校3年の湧川は、194センチ84キロの大型ポイントガード。2022-23シーズンに特別指定選手として加入することが決まっており、2023-24シーズンの選手契約(プロ)も基本合意している。
Bリーグのキャリアを歩み始めることに決めた湧川は「一番の理由は目標としているポイントガードのテーブス海選手が滋賀に所属しているから。テーブス選手のスキルを身近に感じることができ、盗むこともできます」と、188センチ85キロの体格を誇る日本代表ポイントガードの存在が加入の決め手になったようだ。高校卒業後のプロ入りについて、両親から反対の意見もあったというが、「『自分の意思でプロに行くと決めたなら、しっかりとやってきなさい』と言われました。その言葉が自分の覚悟を決めた要因でもあります」と明かした。
特別指定を除き、大学へ進学せずにBリーグ入りするのは極めて稀なことなだけに、彼を受け入れるクラブが背負う責任も大きい。釜渕俊彦代表取締役社長兼ゼネラルマネージャーは「体格面は多くの方が懸念されると思います」と話したうえで、湧川を全面的に支えていく姿勢を示した。
「(体格面は)ステップアップが必要な部分だと思いますので、クラブ全体でサポートしていきたいです。トレーニングや食事の面でもそうです。今までは大学4年間でプロになる準備をしてきた選手が多かったですけど、そうでなければできないわけではないと思います。前例がないゆえに選択されなかっただけだと思います。大学4年間と同じ4年間で、プロの世界で試合に出ながら身につけられるものはたくさんあるでしょう。何よりも大事なのは、本人が挑戦するという強い意思を持っていること。中途半端な気持ちで臨んでいるのだったら、クラブとして受け入れられません。本人が強い思いを持っているので、クラブとして本人の気持ちを尊重していきたいと思います」
チームの指揮を執る保田尭之ヘッドコーチ代行は「年齢は選手たちの間で関係ないと思っています」述べ、「彼が持っているものを磨き上げて、高校でできていたことを、プロの場でもできるようにアジャストしていくことについてはすごく期待できると思っています」とコメント。「彼を見て、今後、こういったキャリアを選ぶ選手たちが出てくると、彼が多様性をBリーグで築き上げてくれたことになります」と“高卒プロ”の道について触れ、「彼がこれからやらなければならない努力は半端じゃない」と成長を促した。
また、「ヨーロッパでプレーしてみたい」、「日本代表の中心選手として活躍したい」、「6年後のオリンピックに出たい」と様々な夢を思い描く湧川に対し、釜渕代表取締役社長兼GMは「大きな目標を持っているからこそ、クラブとしてサポートしたいと思っております」と言及した。
小学2年生の時に「すごく点が入って面白い」という理由で、両立していたサッカーよりバスケットボールを選び、Bリーグが誕生した2016年から「プロになりたい」という目標を掲げ、そして実際に滋賀の地でプロバスケットボール選手としてのキャリアをスタートさせた。「最年少らしく泥臭いプレーでチームを盛り上げていき、そのなかでも自分のストロングポイントを出して、チームの勝利に貢献できるように頑張ります」。まずは本拠地で迎える7日の秋田ノーザンハピネッツ戦でのBリーグデビューを目指す。
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