2023.01.07

滋賀レイクスの湧川颯斗、“ほぼ”ぶっつけ本番のデビュー戦で躍動…高校バスケ引退から約2週間でプロの世界へ

約15分の出場で3ポイントを含む7得点を記録 [写真]=B.LEAGUE
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 また1人、注目の若手がBリーグのコートに立った。

 滋賀ダイハツアリーナで行われた記者会見翌日の1月7日、再び滋賀レイクスのユニフォームを身にまとった湧川颯斗は本拠地での秋田ノーザンハピネッツ戦に初エントリー。第1クォーター残り57秒、観客の拍手を浴びながらコートに足を踏み入れた。前半はスタントン・キッドのシュートを阻止するブロックを記録。後半はスタメンとして起用されると、第3クォーター開始早々にデビュー戦のハイライトが訪れた。

 テーブス海がディフェンスリバウンドを拾って相手陣内まで切り込むと、左コーナーでフリーになっていた湧川へパス。「いいタイミングでパスがきました」。滋賀加入の決め手となった憧れの選手からボールを受けた18歳は、3ポイントシュートを射抜いてBリーグ初得点をマーク。その後もテーブスのアシストなどから2本のシュートを決めた。

 接戦となった第4クォーターでは出番が限られたものの、試合を通じて14分53秒のプレータイムで7得点1リバウンド2スティール1ブロックと上々のデビュー。湧川は「自分のプレーを出せたのは良かったと思います」と手応えを示した一方、「数少ないチャンスを決めていかないと、これからはプレータイムをもらえません。満足していません」と、早くもプロとしての自覚を見せた。

試合後の記者会見では笑顔も見られた [写真]=B.LEAGUE

 ただ、保田尭之ヘッドコーチ代行にとって、湧川の活躍はうれしい誤算だったようだ。指揮官は明かす。

「使うことは決めていました。ただ、決めていた時間より、ほぼ倍近くプレーさせたと思っています。それは自分がプレーさせたというより、彼が自分たちにプレーさせるようなプレーをしてくれたと思っています。フィジカルに体を使ってディフェンスをして、厳しく守れた選手の1人だと思っています」

 福岡大学附属大濠高校でのラストマッチは、12月27日に行われた「SoftBank ウインターカップ2022 令和4年度 第75回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の準々決勝。「(ウインターカップ敗退で)1日だけ悔しい思いはありましたけど、これからはプロの舞台でプレーするので、しっかりと気持ちを切り替えて過ごしてきました」。プロ仕様に“衣替え”し、メディカルチェックや記者会見などに対応。過密スケジュールゆえに、チームメートとの対人練習に参加したのは「1日」だけだというが、「めちゃくちゃ高い」(保田HC代行)、「本当にすごい」(テーブス)バスケットボールIQを駆使して渡り合った。

 一方で湧川は高校とプロの壁も実感した模様。指揮官から期待されているリバウンドでは「今まで取れていたものが取れない」場面があったようで、「一瞬のコンタクトが高校と違うと思いました」とも語った。「年齢や高卒上がりということは気にせずに、(今後も)使いたいと思っています」と高評価を与えた指揮官は、「高校でできていたパフォーマンスを、B1というフィジカル的にタフなリーグでも同じようにやってほしいです」と期待を寄せた。

 前日の会見では終始緊張した様子だったが、試合前には川真田紘也から“プロの洗礼”を受け、うさぎ耳のカチューシャを着用しつつ、跳ねながらファンの前に登場。コート内外を含め、“現役高校生”湧川は早くもプロの色に染まったようだ。

試合前は先輩が仕込んだネタで観客を沸かせた [写真]=B.LEAGUE

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