2023.01.21
Bリーグは16日、12月度の「B.LEAGUE Monthly MVP by 日本郵便」を発表し、河村勇輝(横浜ビー・コルセアーズ)が受賞したと発表した。
山口県出身で現在21歳の河村は、172センチ68キロのポイントガード。福岡第一高校在学時にウインターカップ2連覇を経験し、高校3年次に特別指定選手として三遠ネオフェニックスへ入団すると、卒業後は東海大学へ進学した。
入学直後から主力として起用され、第72回全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)や第97回関東大学バスケットボールリーグ戦で優勝に大きく貢献。2020年に特別指定選手として横浜BCへ加入すると、2022年3月に東海大学を中退し、正式にプロ入りを果たした。
同選手は12月、リーグ1位となる平均9.0アシストに加え、チームトップの同19.7得点(リーグ9位/日本人トップ)の活躍でチームを9勝3敗に導くと、横浜BCが中地区2位へと浮上するキーマンとなった。
第9節の宇都宮ブレックス戦では、第1戦で32得点13アシスト4スティールと爆発してキャリア最多得点を記録。さらに続く第2戦では、試合終了間際の逆転3ポイントシュートを含む34得点6アシストと大車輪の活躍を見せ、2試合連続でキャリアハイを更新した。
河村は今回の受賞に際し、「B.LEAGUE Monthly MVPという素晴らしい賞を受賞することができ、本当に光栄に思います。この賞は僕だけの力ではなく、活躍の機会を与えてくださった横浜ビー・コルセアーズのスタッフの皆さま、チームメート、ファン・ブースターの皆さまのおかげです。本当にありがとうございます。この賞に恥じることなく、今後も全力で戦います。ご声援のほどよろしくお願いいたします」とコメントした。
また、選考委員は選出に至った理由を以下のとおり語っている。
佐々木クリス選考委員長
「12月は多数の候補者に恵まれ、選考プロセスは各選考委員が熱を込めた“たぎった”議論となりました。千葉J、A東京が11勝1敗、広島も10勝2敗と各チームが好順位をキープするなか、中地区2位に浮上した横浜BCは9勝3敗。月間平均19.7得点9アシストを繰り出した河村選手こそ、チーム上昇最大の原動力と評価し、MVPに相応しいという結論に至りました。
27分34秒という平均出場時間ではありましたが、一試合平均15.8本のフィールドゴール試投数こそ如何にチームの攻撃の中核を担っているのかを語る数字です。12月3日、4日の宇都宮戦では『ゲームの勝敗は自らが決める』といった力強いメンタリティが現れていました。どんなゲームにも『勝てる』という自信をチームに持ち込んでいるのは紛れもなく河村選手の力でしょう。
ペリン・ビュフォード選手やドウェイン・エバンス選手などの常連に加え、千葉Jのクリストファー・スミス選手も特筆すべきもので、全試合で先発を務めて相手パワーフォワードと身体をぶつけ合いながらもディフェンス、リバウンドで踏ん張るとともに、攻撃ではフィールドゴール成功率55パーセント、3ポイント成功率44パーセントで平均18.8得点という活躍でした。また8勝4敗の信州をけん引したジョシュ・ホーキンソン選手や、7勝5敗とチームが上向いてきた大阪のディージェイ・ニュービル選手も、高い得点効率で平均20得点以上を記録し、これからの活躍にも注目です」
正中岳城選考委員
「12月度も素晴らしい選手・クラブの活躍によって、2022年のBリーグが大いに盛り上がった年であったことを大変うれしく振り返らせていただきました。横浜BC・河村選手は、特に12月においては宇都宮戦の連勝に代表されるように、ゲームを決定づける時間帯での活躍により、中地区上位にチームを引き上げる原動力となったことが選出の理由です。このほか、開幕以降、広島・エバンス選手は安定したチーム成績の拠り所となるような活躍で、高質で効率的な貢献はこれまでのシーズンのハイライトと言えると感じています。また、12月は千葉Jのジョン・ムーニー選手やA東京のライアン・ロシター選手の活躍によって、両チームが東地区の上位争いを演じる好位置をキープしており、チームに貢献する献身的な活躍が印象的でした」
松島良豪選考委員
「12月の河村選手は、9勝3敗とチームを中地区2位にまで引き上げる原動力となりました。平均得点では日本人トップ、平均アシストでリーグ1位、平均スティールでリーグ9位など個人でも結果を残してきました。さらに印象に残るプレーといえば、12月3日、4日の宇都宮戦ではキャリアハイとなる32得点、34得点に加え、勝負を決めるブザービーターと、記録だけではなく記憶に残るようなプレーも多く披露してくれました。今リーグの顔となりつつある河村選手の今後のプレーにも期待していきたいです」
BMH特派員
「12月最初に2試合連続でキャリアハイを更新し、しかも宇都宮戦ではブザービーターで逆転勝利を飾るなど勝負強さも武器にした河村選手は底が知れないです。チームとしても中地区2位に浮上しており、横浜BCの躍進に大きく貢献し、リーグ全体に衝撃を与えるほどの活躍を見せたと思います。そのほかにも、A東京のライアン選手と広島のエバンス選手と島根のビュフォード選手も最後まで悩みました。また、12月を11勝1敗で終えた千葉Jはスミス選手が苦しい時間帯でも爆発力で得点を繋いでくれたことが、勝利の大きな要因だと思います。さらに、富樫勇樹選手の平均15.3得点6.8アシスト、3ポイント成功率31パーセントのスタッツはもはや驚く数字ではありませんが、12月は3ポイントアテンプトが8.9本のリーグ1位。大野篤史ヘッドコーチ率いる三遠戦では楽しそうにプレーをしている姿が印象的でした」
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