【B1第6節見どころ】今季初の東京ダービーは注目ポイント目白押し…好調大阪が昨季王者琉球と激突

ワールドカップを経て、A東京の吉井裕鷹は成長の跡を見せる [写真]＝B.LEAGUE

小沼克年

フリーライター

　第5節を終えて東地区首位に立つのはアルバルク東京。8勝1敗で迎える今節は、アリーナ立川立飛を舞台にサンロッカーズ渋谷と対戦する。東京都渋谷区をホームタウンとするクラブ同士が激突するダービーマッチだ。

“東京ダービー”の名で開催される今回の2連戦は、注目ポイントが目白押し。SR渋谷にはルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチを筆頭に、田中大貴、小島元基といったA東京時代にリーグ連覇を達成したメンバーが在籍。会場では両チームのファンから温かい声援が送られる場面もあるだろう。さらには、かつて宇都宮ブレックスでチームメイトだったライアン・ロシターとジェフ・ギブス、日本代表の吉井裕鷹とジョシュ・ホーキンソンによる対決が実現するかも見ものだ。

　5連勝で波に乗るA東京の強さの要因は、鉄壁とも言えるディフェンスにある。現在の1試合平均失点はわずか「60.2」。ゴール下での争いも強く、平均リバウンドはB1で2位の42.6本を記録している。ブロック部門では同3.7本でB1トップの数字を残しており、新戦力のアルトゥーラス・グダイティスの存在も大きい。現在2勝7敗と苦しむSR渋谷が白星をつかむには、相手ディフェンスをいかに攻略するかが問われる。

　ただ、A東京としてもミスの少ないSR渋谷に対しては一筋縄ではいかないはず。最注目のマッチアップは、小酒部泰暉vs田中だ。新天地でも攻撃の起点として活躍する田中とエースキラーの小酒部、両者のパフォーマンスが勝敗を大きく左右するだろう。

東海大の先輩後輩でもある田中とベンドラメがSR渋谷をリードする [写真]＝B.LEAGUE

　4連勝の宇都宮ブレックスが迎え撃つのは、怒とうの7連勝で中地区1位に立つ三遠ネオフェニックス。現在の三遠は、新加入のコティ・クラークを起点に得点とリバウンドでB1トップクラスの数字を残している。宇都宮がホーム白星を飾るには、インサイド陣の働きがポイントになるだろう。三遠には帰化選手がいないため、ギャビン・エドワーズがチームにアドバンテージをもたらし、攻守両面で存在感を示すことができるか。

　前節、茨城ロボッツとの競り合いをものにした群馬クレインサンダーズは、ホーム負けなしを継続中。今節は白星先行の名古屋ダイヤモンドドルフィンズとの対戦となるが、引き続き本拠地の声援を味方に連勝キープを目指す。相手の精度の高い3ポイントシュートを軽減させるには、須田侑太郎とレイ・パークスジュニアに仕事をさせないことが需要。互いの攻撃を司る並里成と齋藤拓実による“ファンタジスタ対決”にも注目だ。

　開幕からの連勝が7で止まった大阪エヴェッサだが、前節の第2戦では20点差の快勝を収めて西地区首位を維持した。今節の相手は、昨シーズン王者の琉球ゴールデンキングス。同地区の今後の動向を占う2連戦になるはずだ。大阪としては、現在リーグトップの攻撃力を存分に発揮したい。中でもカギを握るのは3ポイント。鈴木達也、合田怜らのガード陣が効率よく長距離砲を射抜くことができれば、琉球相手に連勝も見えてくる。