2021.12.25

連覇へ向け好発進の仙台大明成…プレーの幅を広げた内藤晴樹が23得点で持ち味発揮

両チーム最多となる23得点をマークした仙台大明成の内藤晴樹 [写真提供]=日本バスケットボール協会
フリーライター

 12月25日の「SoftBank ウインターカップ2021 令和3年度 第74回全国高等学校バスケットボール選手権大会」2回戦、駒沢オリンピック公園総合運動場体育館での第1試合に登場した仙台大学附属明成高校(宮城県)は、北陸高校(福井県)を98−48で撃破。大会連覇を狙う同校は第2クォーターこそ一時4点差に詰められる場面があったものの、その後は攻守が噛み合い危なげなく初戦突破を果たした。

 この試合で15得点22リバウンドを挙げたウィリアムスショーン莉音(1年)、21得点10リバウンドをマークした山﨑一渉(3年)とともにスタッツを伸ばしたのは、視野の広さと得点力を兼ね備える内藤晴樹(2年)。内藤はウィリアムスと山﨑(一)よりも10分以上少ない約25分間のプレータイムながら、両チーム最多となる23得点の活躍で存在感を示した。

「初戦ということで少し硬くなってしまいましたが、自分が今までやってきた練習に自信を持ってプレーしたら良くなったので、そこは次の試合も継続していきたいです」

 試合後の第一声でそう述べた背番号6は、今年のインターハイでも先発ポイントガードとしてコートに立っており、同大会の準決勝で敗れたあとには「ただただ悔しいです……。自分の情けなさを身に沁みて感じたので、この悔しさをバネに一回りも二回りも大きくなって冬のウインターカップに帰ってきたいです」と、涙ながらに決意を口にしていた。

 その言葉通り、内藤は夏から成長を遂げて冬の大舞台に戻ってきた。北陸戦では計5本の3ポイントシュートを沈めて得点を伸ばしたが、インターハイでの得点は主にドライブからの2ポイントが中心。夏の全国では試投数も少なく、4試合で1本しか決まっていない。

 本人に聞くと「もともと3ポイントは得意ではなかったです」と明かし、こう続けた。「でも3ポイントが打てる方が魅力ある選手だと思いましたし、チームにとってもプラスになると思ったので練習してきました」。内藤は、チーム練習後も後輩にリバウンドを手伝ってもらい日々シューティングに励んできたという。

 今大会は左足のケガから復帰した198センチの大型ガード・菅野ブルース(3年)と2ガードを形成して主軸を担う内藤。夏の悔しさから這い上がってきた2年生ガードは「ガードとして試合を作ることを大事にしていますが、得点を取ることが自分の持ち味なのでそこは意識しています」と、次戦以降も自分の色を出し続けて頂点を目指す。

取材・文=小沼克年

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