2023.08.27

バスケ日本代表を支えるチーム最年長の比江島…「40分間集中できるように試合に臨みたい」

比江島は限られた出場時間の中でパフォーマンスを発揮した [写真]=伊藤大允
バスケットボールキング編集部

 8月26日、「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」2日目を迎えた男子日本代表は、18時45分から練習会場の沖縄市体育館で汗を流した。

 ドイツとの初戦を63−81で落とした日本だが、後半には持ち前のアップテンポのバスケを展開。渡邊雄太(フェニックス・サンズ)らが積極的にリングをアタックし、32−28とスコアの面では上回った。

 それでも、この試合、ワールドカップ初出場のメンバーにとってはデビュー戦でもある。それだけに思いどおりのプレーができないケースもあったが、2019年、中国開催のワールドカップ、2021年の東京オリンピックに出場したベテラン勢は存在感を示したとも言える。

 第2クォーターの開始からコートに立ったチーム最年長の比江島慎宇都宮ブレックス)は、馬場雄大にアシストパスを配給。その後もスティールから速攻で得点を挙げるなど、チームの追い上げに貢献した。

 結局、比江島は8分35秒の出場で2得点2リバウンド2アシストを記録するに止まったが、なかなかリズムをつかめないチームにエナジーを注入。このパフォーマンスが後半の追い上げにつながったと言えるだろう。

 翌日、公開練習のあとに囲み取材に応じた比江島は初戦を振り返り、「タフな結果になってしまいましたが、そんなに雰囲気は悪くありません。実際、後半の点数では僕たちが勝っているので、次につながる試合ができました」と振り返った。

 日本が出場した直近の世界大会だけでなく、多くの国際大会を経験している背番号6は「相手のペースに持っていかれた時間帯はありましたが、自分たちのペースでできた時間帯もあった。自分たちとしては40分間集中できるように試合に臨みたい」と、第2戦のフィンランド戦に向けた課題を口にした。

 この日の練習でも予定の時間いっぱいまでシュート練習を繰り返していた比江島。「自分は限られた時間の中でどれだけ日本の流れになるようなプレーをしたいと心がけています。ベンチでも盛り上げるのが自分の仕事だと思っているのでチームの勝利に貢献したいと思っています」と、ベテランらしくチームをバックアップする意気込みだ。

 「調子がいいようですし、ホーバスHCには『もっとコートに出してほしい』という気持ちはありませんか?」と尋ねると、はにかんだ笑顔を見せて答えてくれた。

「もちろん個人としてはプレータイムが欲しいのですが、自分より調子がいい選手が出ていると思っています。実際3ポイントも決められなかったので、次戦ではきっちり決めたい。そうすればプレータイムは伸びると思うので、強気に攻め気を持って試合に臨みたいと思います」

  幾度となく修羅場をくぐり抜けてきた日本のエース。比江島がチームを救う場面が今大会でも必ず見られるはずだ。

文=入江美紀雄

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