2025.02.28

やっぱり売りたくない?ウェンバンヤマのユニ巡るオークションが裁判沙汰に

公称221センチの長身を誇るビクター・ウェンバンヤマ[写真]=Getty Images

■“あのジャージ”が再び話題に

 ビクター・ウェンバンヤマ(サンアントニオ・スパーズ)は、すでにNBAの顔として、その役割を全うしている。昨年12月下旬に開催されたブルックリン・ネッツとの試合後には、コートサイドで観戦していた子どもと自身のゲームジャージを交換。ウェンバンヤマの腰にも至らないほど小さなファンとの2ショットは広く拡散され、大きな話題となった。

 しかし、それからまもなくして、子どもにプレゼントしたジャージがスポーツオークション大手『Goldin Auctions』に登場。その情報にはウェンバンヤマ本人も泣き顔の絵文字を添えてSNSでリアクションを示しており、金銭目的とされる行動には様々な意見が集まった。

 このウェンバンヤマのゲームジャージは最近、7万3200ドル(約1100万円)で落札されたのだが、少年の父親とオークションハウスの間でちょっとした騒動があったようだ。

『Front Office Sports』によると、少年の父親であるフランキー・デジデリ・シニア氏は2月18日(現地時間17日)、ニューヨーク裁判所を通じて『Goldin Auctions』にユニフォームの返還を要求していた。しかし、同21日(同20日)に裁判所は申し出を棄却。だが、まだまだ法廷での争いは続くかもしれない。

 デジデリ氏は、オークション側に何度もユニフォームの出品撤回をかけ合ったが、自身の交渉ではそれが叶わなかったため、『Goldin Auctions』に裁判所経由で暫定的な差し止め命令を求めた。

 しかし、『Goldin Auctions』は裁判所に対して「明らかに売主の後悔を感じている」と返答。また、同氏の訴えが届いたのはすでにユニフォームの売却ならびに支払が完了した段階だったといい、新しい所有者に発送された後だったと主張している。

ユニフォームが出品された直後にはSNSで反応していたウェンバンヤマ[写真]=Getty Images


『Goldin Auctions』の創業者兼CEOのケン・ゴールディン氏が裁判所に提出した資料によると、デジデリ氏は試合のわずか2日後にユニフォームの売却についてオークションハウスに連絡していた模様。また、出品者契約には「出品者が一方的にオークションをキャンセルすることはできない」との記載があり、デジデリ氏は1月3日(現地時間2日)に契約書へのサインも済ませている。ゴールディン氏は、ウェンバンヤマの深部静脈血栓症が判明し、シーズン全休になったことに触れ、「私の理解では、デジデリ氏はこの発表がユニフォームの価格に影響することを懸念し、オークションを取りやめたくなったのではないでしょうか」との見解を示している。

 一方、デジデリ氏が提出した請願書には、オークション終了前に適切な形で撤回要求したにもかかわらず、Goldin Auctionsが販売を進め、デジデリ氏の保護者としての権利を侵害し、契約上の原則を無視したと記載されているという。さらに、販売プロモーションにおいて、Goldin Auctionsはデジデリ氏と息子の画像を使用していたが、事前に明確に画像の使用禁止を指示していたにもかかわらず無視されたと主張している。

 果たして、デジデリ氏は今後も『Goldin Auctions』に対して食い下がるのだろうか。

文=Meiji

ビクター・ウェンバンヤマの関連記事

海外の関連記事

BASKETBALLKING VIDEO