2025.11.18
NBAにはいつの時代も強力なデュオが存在する。ステフィン・カリーとクレイ・トンプソンの「スプラッシュブラザーズ」や、クリス・ポールとブレイク・グリフィンの「ロブ・シティ」などは歴史を代表するコンビとして語り継がれているが、今シーズンのファンたちのお目当ては「フレンチバニラ」だろう。
フレンチバニラは、サンアントニオ・スパーズでツインタワーを形成するビクター・ウェンバンヤマとルーク・コーネットのコンビだ。“フレンチ”はウェンバンヤマの出身地であるフランスが由来となっており、“バニラ”はホワイトビッグマンであるコーネットの基本に忠実で、ベテランらしい滑らかな連携を表現し、チームカラーを彷彿とさせるワードチョイス。すでにスパーズのファンたちの間でも、この甘く上品な新コンビ名の名称は普及している。
ウェンバンヤマの相方であるコーネットは、新たなニックネームに好印象を抱いているようだ。
「『フレンチバニラ』には五つ星を付けたいね。とても気に入っているよ。リムプロテクターが2人いれば、相手チームを翻弄する多才さが生まれる。攻撃面でこの組み合わせをどう最適にするかを見出すのは、きっと楽しい時間に作業になるだろうね」
2024年の新人王であるウェンバンヤマは、前例のないビッグマンとして新時代を牽引していく存在になることが期待されている。一方で、次第にNBA選手らしい身体つきになってきたものの、屈強なインサイドプレーヤーたちと比較すると線の細さは拭えない。
それを補完するのがコーネットだ。“コーネットコンテスト”と呼ばれた独自のブロックが話題となったが、派手さのない堅実なプレーヤーで、正確なスクリーン、ショートロール、スペーサーとしての役割、リム周りの存在感など、どの球団でも役割を与えられるローテーションプレーヤーとして重宝されてきた。
スパーズを率いるミッチ・ジョンソンヘッドコーチは、元々コーネット獲得を検討していたという。
「昨シーズンから、ビクターをもう一人のビッグマンと並べて起用する構想がありました。ですが、その選択肢はあまりなかった。ルークはその理想的なパートナーだと思いました」
ジョンソンHCの思惑は見事に的中した。フレンチバニラはプレシーズンを通して抜群の機能性を発揮。インサイドでのブロック、フロアスペーシング、アウトサイドでのピック&ポップなど、息の合ったプレーですでにファンの心を掴んでいる。
レギュラーシーズンに入れば、このケミストリーはさらに向上する見込み。2025年のウェスタン・カンファレンスはフレンチバニラが最もホットなフレーバーになりそうだ。
文=Meiji
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