2025.12.03
前人未到のキャリア23年目に挑むレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)に脚光が集まるなか、“ポイントゴッド”の異名を持つクリス・ポール(ロサンゼルス・クリッパーズ)もプロキャリア21年目に挑む。
2025-26シーズンはクリッパーズに帰還。2019年以降、愛する家族と離れ、“単身赴任”でバスケットボールを続けてきたが、メディアデーに収録されたルー・ウィリアムズ(元アトランタ・ホークスほか)の番組『The Underground Lounge』に出演したCP3は、家族との生活を取り戻したことに対して喜びを露わにしている。
名手たちの会話ではその他にも興味深い話題が相次いだ。そのひとつが、ポールの今後のキャリアについてだ。歴代屈指のポイントガードも、全盛期に比べれば影響力に陰りが出てきた。しかし、昨シーズン在籍していたサンアントニオ・スパーズでは、レギュラーシーズン全試合にスターターとして出場。この年齢でのフル出場はジョン・ストックトン以来であり、ポールは依然として“アイアンマン”であることを証明してみせたのだった。
そのポールは引退についての意見を問われると、現在の率直な気持ちを述べている。
「(ラストシーズンという問いについて)わからない。引退の期日を設定しているわけではないんだ。でも、当たり前のこととは考えていないよ。全ての瞬間、全ての街を楽しみたいと思っている。30年分の努力の賜物かな。本当にありがたいことだよ」

昨季はスパーズの“怪物“”ウェンバンヤマとプレーした[写真]=Getty Images
それが叶うクリッパーズへと帰ってきたが、チームについてはどのような意見を持っているのだろうか。カワイ・レナード、ジェームズ・ハーデン、ブラッドリー・ビールといったオールスターに加え、昨シーズンの最優秀守備選手賞であるイビツァ・ズバッツ、さらには経験豊富なブルック・ロペス、ボグダン・ボグダノヴィッチなど、ロスターの深度はリーグでも指折り。チャンピオン経験のあるティロン・ルーヘッドコーチのもとには、優勝を目標とするための十分な戦力が整っている。
「ロッカールームでは自分の言葉が全てを決める。僕らのチームの一番誇るべきところは、年齢ではなく、とにかく色々なプレーができるということ。だから、全員がそれぞれの役割を受け入れ、この試合で何をすべきかを受け入れれば……。皆まで言う必要はないよね?」
昨シーズンを過ごしたスパーズでは、若手たちのメンターとしてプレーしてきたが、クリッパーズは百戦錬磨の選手たちで構成され、ポールの役割は大きく異なるに違いない。12度のオールスターは全ての選手と同じ1人のチームプレーヤーとして、職務を全うする覚悟ができている。
「皆には『頼まれたことは何でもやる』と伝えた。バスケットボールをする準備はできているんだ。もし、誰かにフルコートでパスを出せと言われたら、それでいい。俺がやるべきことは毎日チームにいることだ。皆は俺がそこで頑張っている姿を見る。試合で何を求められようとも、俺は準備万端で臨むだけだ。競争心は失われていない。これまでの経験から学んだことは多い。どんなロッカールームにも良し悪しがある。それを踏まえて準備をし、同時にチームが余計なことで乱れないようにすることも大切なんだ」
これまでのキャリアでチャンピオンリングに縁のなかったポール。だが、クリッパーズのケミストリーが完成し、シーズンを通して離脱者なく良いムードが維持できれば、7試合のラウンドで勝ち越すのはどの球団であっても容易ではないはずだ。
ポールはキャリアを築いた西海岸に経験を持ち帰り、家族のいるこの地で有終の美を飾れるだろうか。
文=Meiji
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