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ニックスがタウンズ、ハートらとの契約延長交渉を一時停止…優勝メンバー維持に暗雲

タウンズ(左)、ハート(右)らの契約延長交渉は先送りへ [写真] = Getty Images
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 ニューヨーク・ニックスが、カール・アンソニー・タウンズら複数選手との契約延長交渉を当面見送る方針を明らかにした。10月9日(現地時間8日)、現地メディア『The Athletic』などが報じている。

 球団は同メディアなどに対し、「組織として、我々の最大の焦点は来たるシーズンに向けた準備を整え、ファンに誇れる1年を届けることにある。そのため、シーズンが進んだ段階になるまで契約延長の交渉は行わず、開幕に向けた準備に専念する」と声明を発表。選手の契約状況について球団が公にコメントするのは異例の対応となった。

 今回の発表の背景には、タウンズとの契約延長交渉が難航していることがある。10月5日(現地時間4日)、タウンズは報道陣の取材に応じ、開幕前の合意に向けて厳しい見通しを示していた。

「端的に言えば、チームを維持できるような形で、ニックスと協力しながら、自分自身も正当に評価される契約にしたい。そのどれもが、実現に近づいていない」

 タウンズはチームの戦力維持に協力する意思を示しながらも、自身の価値に見合う条件が提示されていないことへの不満をにじませた。

 昨シーズンのNBA制覇に大きく貢献したタウンズは、今シーズンのサラリーとして約5710万ドル(1ドル=157円換算で約90億円、為替換算は以下同)を受け取る予定。2027-28シーズンには約6110万ドル(約96億円)のプレーヤーオプションを保持しており、新たに最大4年約2億7600万ドル(約437億円)の契約延長を結ぶことが可能となっている。

 しかし、『The Athletic』によると、ニックスが提示した条件は総額約2億ドル(約316億円)。最大額とは約7600万ドル(約120億円)の開きがあり、双方の隔たりは小さくない。

 今夏のニックスは、球団オーナーのジェームズ・ドーランが掲げるサラリーキャップ上の方針にも直面している。ドーランは6月、現地ラジオ局『WFAN』のインタビューで、チームがセカンドエプロンを超えることは避けたいとの考えを明言していた。

「我々はセカンドエプロンを超えるわけにはいかない。支出を増やす用意はあるが、NBAには絶対に避けなければならないことがある。その1つがセカンドエプロンだ」

 セカンドエプロンとは、NBAのサラリーキャップ制度において、一定額を超えるチームに厳しい補強やトレード上の制限を課す基準を指す。これを超えれば、選手獲得やサラリーを組み合わせたトレードなどの面で制約が生じ、戦力を維持・補強するうえで不利になりかねない。

 ニックスは今夏、昨シーズンの優勝メンバーだったミッチェル・ロビンソンと再契約に至らず、同選手はボストン・セルティックスへ移籍。現状のチームサラリーもセカンドエプロンの基準額に迫っており、ベテラン選手を獲得する場合はミニマム契約に限られる状況となっている。

 また、タウンズに加え、ジョシュ・ハート、マイルズ・マクブライド、タイラー・コーレックも契約延長が可能な選手となっている。ハートは2027-28シーズンに約2230万ドル(約35億円)のチームオプションを残しており、最大4年約1億3200万ドル(約209億円)の契約延長を結ぶことが可能。ハート本人は、9月下旬のメディアデーで以下のようにコメントしている。

「結局のところ、これはビジネスだ。何が起こるかは分からない。ただ、このユニフォームを着ている限り、全力でプレーするつもりだ。うまくまとまることを願っている」

 昨シーズンに悲願のNBA制覇を成し遂げたニックスだが、その戦力を維持するためには、主力選手への適切な評価とサラリーキャップの制約を両立させなければならない。球団は開幕に向けた準備を優先する姿勢を示したものの、タウンズをはじめとする選手たちとの交渉は、シーズンが進むにつれて再び大きな焦点となりそうだ。

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