2023.09.28

ヤニスとのワークアウトを終えたオラジュワン「とても光栄だったし、すごく楽しかった」

オラジュワンとのワークアウトに励んだアデトクンボ[写真]=Getty Images
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ヤニスがポストムーブの達人オラジュワンとワークアウトを実施

 9月28日(現地時間27日、日付は以下同)。ミルウォーキー・バックスは、3チーム間トレードでポートランド・トレイルブレイザーズからデイミアン・リラードというリーグ最高級のスコアリングガードを獲得した。

 その見返りとして、バックスはグレイソン・アレンをフェニックス・サンズ、ドリュー・ホリデーと2029年のドラフト1巡目指名権、2028と2030年のドラフト指名交換権をブレイザーズへそれぞれ放出したことで、特にバックコート陣の補強が急務となった。

 それでも、2021年以来、球団史上3度目のリーグ制覇を狙ううえで、リラードというクラッチタイムにめっぽう強く、爆発力があり、3ポイントシュートを沈めて相手チームにとって脅威となる選手を加えたことは評価すべきだろう。

 これまでのキャリア11シーズンで、リラードは平均25.2得点4.2リバウンド6.7アシストを残してきた。『ESPN Stats & Info』によると、現役でキャリア平均25.0得点5.0アシスト以上を残しているのはレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)、ルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)、トレイ・ヤング(アトランタ・ホークス)とリラードのみ。

 歴代で見ても、この4選手とマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)、オスカー・ロバートソン(元シンシナティ・ロイヤルズほか)、ジェリー・ウェスト(元レイカーズ)、アレン・アイバーソン(元フィラデルフィア・セブンティシクサーズほか)しかいない。

 そのリラードがバックスで新たにデュオを形成するのがヤニス・アデトクンボ。213センチ109キロのサイズで驚異的な身体能力を兼備する男は、昨シーズンに平均31.1得点11.8リバウンド5.7アシストにフィールドゴール成功率55.3パーセントを記録。

ペイントエリアで強烈な存在感を見せるアデトクンボ[写真]=Getty Images

 『StatMuse』によると、直近5シーズンで30得点以上を残してきた選手はイースタン・カンファレンスではアデトクンボ、ウェスタン・カンファレンスではリラードが最多タイだったことから、リーグに新たなスーパーデュオが誕生したと言えるだろう。

 もっとも、キャリア11年目を迎えるアデトクンボは今もなお、選手として成長すべく精力的に練習へ励んでいる。先日はアキーム・オラジュワン(元ヒューストン・ロケッツほか)とワークアウトをこなしていた。

 オラジュワンはリーグ史に名を残すビッグマン。213センチ115キロのサイズながら軽やかな動きと華麗なフットワーク、柔らかいシュートタッチを持ち、主に左ローポストから仕掛けるポストプレーでは素早い動きと巧みなフェイクを駆使してマッチアップ相手を鮮やかに交わして加点してきた。そのプレーは“ドリームシェイク”と呼ばれ、1990年代中盤にはリーグベストのセンターに君臨していた。

 26日。アデトクンボとのワークアウトを終えたオラジュワンは、『Fox 26』の元スポーツ・ディレクター、マーク・バーマンへこう話していた。

「ヤニスのような男を見るのは素晴らしいこと。今もなお上達しようとしていて、自身のゲームを引き上げようとしている。彼の持つ練習への意欲と決意、ベストな選手になるんだという思いが、彼のことをよく表わしている。

 彼とワークアウトに取り組むことができて私はとても光栄だったし、ものすごく楽しかった。バスケットボール以外のこともたくさん話したんだ。とてもいいものだった」

 アデトクンボはペイントエリアに2、3人いようが持ち前の高さと長さ、速さを駆使して加点してしまう。フリースローや3ポイントシュートこそ難があるものの、トランジションやトップ下から突進して相手を蹴散らしてダンクをたたき込むシーンは何度もあり、そのたびに相手チームへダメージを与えてきた。

 リラードというディープスリーの使い手が加わった今シーズン。アデトクンボがポストでかつてのオラジュワンのように相手選手を軽々と交わしてフィニッシュまで決め切ることとなれば、バックスはさらに脅威となるに違いない。

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