
2025.06.28
6月25日、シンガポールで「NBAライジングスターズ・インビテーショナル」の男子予選グループC初戦が行われ、福岡大学附属大濠高校(日本)が82−41でアングロチャイニーズ・ジュニアカレッジ(シンガポール)に勝利した。
大会初戦を終え、指揮を執る片峯聡太コーチが試合後にメディア対応を行い、今回の遠征に込めた意義やチームの現在地について語った。
今回の福大大濠は、本田蕗以が体調不良、U16日本代表の活動に櫻井照大と白谷柱誠ジャックらが参加している状況でのエントリー。さらに直前の九州ブロック大会でケガ人も出て、「実質10人での参加」という厳しい陣容で国際大会に挑んでいる。こうした背景もあり、片峯コーチは「何よりもまず、こうして無事に初戦を迎えられたことが嬉しい」と安堵の表情を見せた。
試合は序盤からディフェンスを中心にリズムをつかみ、前半でリードを奪うと、後半はオフェンスでも主導権を握って勝利を収めた。「相手のプレッシャーが強かったが、ボールを動かしながら崩す意識を持てた」と評価する一方で、「ターンオーバーの数や、終盤の集中力には課題が残った」と冷静に分析する。
片峯コーチは今大会の意義を「この大会に参加することで、選手たちの“目線”を変えたい」と明確に語る。福大大濠の選手たちは日頃から全国大会を目指し、国内トップレベルの競争に身を置いているが、アジア各国から強豪校が集まるこの舞台は、それとはまた異なる刺激と学びを与える場になる。
「日本では当たり前のようにあるものが、海外にはない。一方で、日本では得られないものが、この場にはある。生活面を含め、すべてが選手たちの財産になる」とし、競技力の向上だけでなく、人間的な成長をも視野に入れた遠征であることを強調した。
また、選手が揃わない状況についても、「それを理由にしないことが大事」と語る。与えられた戦力の中で最大限を引き出すのが指導者の役割であり、「自分たちがこの場に立てることそのものが価値だと思っている」と話した。
指導者として、片峯コーチが重視するのは“勝ち”以上に“意味のある経験”だ。「もちろん勝つことはうれしいし、選手たちの自信にもなる。ただ、それ以上に、この異なる環境でどれだけ自分を出せるか、仲間と力を合わせられるかが重要」と語り、選手一人ひとりの“殻を破る”きっかけとして大会を捉えている。
「一戦一戦を大切にしながら、同時にこの環境に適応し、楽しむこと。結果はあとからついてくるもの」と語る片峯コーチ。高校バスケの名門・福大大濠が、国際舞台で得るものは、勝敗以上に大きな“視野の拡張”と“心の成熟”なのかもしれない。
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