2025.07.29

アメリカから帰国中に大会に参加したハウエット [写真]=バスケットボールキング
現在アメリカ・コロラド州のプレップスクールに在学しているハウエット凪音が、夏休みを利用して帰国し、「THE ONE」東京予選に出場した。久しぶりの日本の大会だったが、「こういう1on1の大会はアメリカでもあまりない。すごくいい経験になったし、呼んでいただいてありがたいです」と語るように、その舞台を大いに楽しんだ。
クォーターファイナルで対戦した相手はその後、ファイナルまで勝ち上がる栗原咲太郎。結果は13−23で敗れたが、試合序盤から互いに探り合う展開の中で、ハウエットは持ち味のドライブやステップワークを披露した。中盤には追い上げを見せたものの、「1回カムバックできるかと思ったんですけど、やっぱり1本外しちゃって。そこから相手に連続で決められたのが大きかったです」と、勝負どころでの決定力に悔しさを滲ませた。
「1on1は昔から好きです。でも、やっぱり一発勝負っていうのは大きいですね。『もう一回やりたい』っていう気持ちがすごく強いですけど、できないので悔しいです」と話し、次なる機会への意欲も見せた。「出だしが悪いのが自分の悪い癖。これからは試合の入りから全開でいけるように頑張りたいです」と自らに課題を課しつつ、大会出場への感謝を繰り返した。

ハウエットに勝利した栗原はファイナルまで勝ち上がった [写真]=Jordan Brand
この東京予選で最も印象を残したプレーヤーの一人が、栗原咲太郎だ。クォーターファイナルではハウエット凪音に23−13で勝利。セミファイナルでは村上敬之丞に20−15と競り勝ち、ファイナルへと駒を進めた。
ファイナルの相手は佐藤凪。全国的にも注目を集める存在だが、栗原は序盤からリードを奪う展開に持ち込んだ。終盤にはサドンデスにもつれ込む死闘となったが、惜しくも優勝を逃し、準優勝という結果に終わった。
「決勝まで勝ち上がれてうれしかったんですけど、最後はちょっと疲れもあって悔しいです」と語る栗原。実は佐藤とはジュニアウインターカップでも対戦経験があり、「その時もやられちゃったので、今日はやり返したい気持ちがありました」とリベンジを誓って臨んだ一戦だった。
自身の持ち味は、攻守の駆け引きにあるという。「相手が離れていたら、いくら調子悪くても絶対にシュートを打ちます。逆に詰めてきたら、ドライブで2点を取りにいく」と語り、相手との間合いを見極める眼力も印象的だった。守備においても、相手の調子を読み取りながら距離感を調整し、対応していたという。
「観客も熱くて、すごく盛り上げてくれました。緊張はしましたけど、その中で楽しんでプレーできました」と語る姿からは、プレッシャーを力に変える勝負強さがにじんでいた。準優勝という結果に満足せず、「『THE ONE』は1位じゃないと意味がない。負けたらみんな一緒だと思います」と言い切るあたりに、さらなる成長の可能性を感じさせる。
文=入江美紀雄
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