2025.09.02
8月22日、東京・渋谷の「Jordan World of Flight Shibuya」でスペシャルトークショーが開催され、八村塁(ロサンゼルス・レイカーズ)が登壇した。「挑戦すること、自分の限界を超えること、そして世界を見据えること」をテーマに、世界最高峰の舞台で戦い続けるトップアスリートとして、自身の歩みやマインドセット、そしてジョーダン ブランドの一員としての誇りを語り、会場に集まった中高生や学生アスリート、ファンに強いメッセージを送った。
イベント終了後には個別インタビューに応じ、日本滞在の様子や「BLACK SAMURAI 2025」で得た手応え、さらにはジョーダン ブランドへの思いを語った。
インタビュ=・文=入江美紀雄
写真=バスケットボールキング
取材協力=Jordan World of Flight Shibuya

BLACK SAMURAI CAMPについて「今後も続けていきたい」と語った [写真]=バスケットボールキング
――今回の帰国のメインは「BLACK SAMURAI 2025」の開催でしたが、日本各地も訪問されていました。思い出に残った場所はありますか。
八村 そうですね、京都は昔から行きたいと思っていたので、高校3年生のインターハイ以来でしたが訪れました。街を歩きながら当時を思い出せましたし、ご飯もおいしくて楽しめました。このオフに神戸ストークスに移籍した弟の阿蓮も合流して、いろいろ話せたのはよかったです。
――富山では母校の奥田中学校バスケットボール部の後輩たちや坂本穣治コーチとも交流されました。
八村 前回訪れたのは昨年でしたが、そのときからの1年を振り返ったり、中学時代の話をしたりしました。バスケだけでなく人としての成長も感じられる時間になりましたね。
――では、日本滞在は充実したものになったと。
八村 はい。やるべきことをやって、しっかり帰れると思います。
――「BLACK SAMURAI 2025」を振り返ってください。
八村 素晴らしかったです。名古屋のIGアリーナは日本で一番のアリーナだと思いますし、そこで中高生が1万人以上の観客の前で試合をしたのは大きな経験になったと思います。夢に向かうきっかけになればうれしいです。
――実際に中高生と触れ合ってみて、どのように感じましたか。
八村 僕自身も初めての試みでしたが、交流できてよかったです。自分が中高生のときはNBA選手に会う機会がなかったので、こうした場をどんどん増やしていければと思います。参加した選手にとっても、将来のモチベーションにつながる場になったのではないでしょうか。
――参加した選手たちのレベルについてはどう見ましたか。
八村 高かったですね。SHOWCASEで行った試合も1点差になるなど白熱していました。今後さらに公式戦に近い形でやっていけば、もっとレベルは上がるはずです。
――将来を期待できるような選手もいましたか。
八村 はい。自分の力を分かっていなかった子が自信をつける場にもなったと思います。今注目されている選手だけでなく、潜在能力を持つ選手もどんどん挑戦してほしいです。日本バスケの裾野を広げるという意味でも大切なことだと感じました。
――日本人のシャイさについても指摘されていましたが、必要なことは何だと思いますか。
八村 闘争心や自分を表現する力だと思います。そこは日本人の弱点なので、変えていってほしいですね。僕自身もNBAに行った当初は遠慮することもありましたが、いまは自分をしっかり出すことが大事だと感じています。
――八村選手自身はNBAで日本人らしさを意識していますか。
八村 もちろん日本人です。NBAでも日本の文化はリスペクトされていますし、自分の持ち味を出しながら文化も大切にしています。冷静さや礼儀を持ちながら、闘争心を前面に出すバランスを心掛けています。
――こうしたキャンプやイベントは、今後も続けていくつもりですか。
八村 そうですね、どんどん続けたいと思いますし、そういうところで子どもたちはもちろんですけど、大人とか日本の社会全体がもっとモチベーションを高められるきっかけになってくれればいいかなと思うので、どんどんやっていきたいなと思います。

ジョーダンアスリートはMJに認められた証 [写真]=バスケットボールキング
――ジョーダン ブランドについてうかがいます。記憶に残っているマイケル・ジョーダンからの言葉はありますか。
八村 17歳のときに「ジョーダン・ブランド・クラシック」でニューヨークへ行き、撮影会で握手して肩をポンと叩かれたのを覚えています。当時英語が話せなかったので何を言ったのか分からなかったのですが、大きな影響になりました。あの瞬間が、自分が世界とつながるきっかけになったと思っています。
――7月にはギリシャで行われたワークショップにも参加されましたね。
八村 はい。世界中のジョーダンアスリートが集まる場で、マイケル・ジョーダン本人にも会いました。ブランドに入るには彼のアプルーブ(承認)が必要で、一人ひとりの選手を実際に見て「OK」かどうかを判断していると聞きました。そういう意味で、本当に特別なファミリーだと改めて感じましたし、自分が選ばれている責任も強く意識しています。
――今回のワークショップでジョーダンが話した言葉で印象に残っているものはありますか。
八村 「ブランドの一員であっても、それぞれの個性を大切にしてほしい」ということを強く言われました。自分の持ち味をしっかり出していくこと、そのためにブランドとしてもサポートしていくんだと。バスケだけでなく、選手とのコミュニケーションを大事にしている姿勢が印象的でした。3日間ずっと彼と過ごして、直接話す機会があったのは貴重な経験でした。
――来シーズンは「Air Jordan 40」を履く予定だそうですね。
八村 はい。足にフィットするよう作ってもらっていて、軽さや丈夫さも兼ね備えています。プレー中の安心感にもつながるので楽しみですし、レイカーズカラーを取り入れたり、自分の思いを込めたデザインで履けるのも大きな魅力です。
――シューズに求めるポイントはどんな部分ですか。
八村 まずはサポート性ですね。ケガを防ぐことを一番大事にしています。その上で軽くて動きやすいこと。デザインについては、日本の要素や父の母国であるベナンのデザイン、あるいは自分の好きな犬をモチーフにしたものなど、本当に幅広く反映させてもらっています。ブランドの担当者とコミュニケーションを取りながら、自分に合った一足を作ってもらえるのはありがたいです。
――普段履きではどのモデルが好きですか。
八村 レトロシリーズでは「Air Jordan 3」や「Air Jordan 4」が好きです。デザイン性だけでなく、歩きやすさもあってよく履いています。
――最後にジョーダン ブランドのアスリートとして意識していることを教えてください。
八村 誰でも入れるわけではなく、マイケル・ジョーダン本人が認めた選手だけですから、その誇りと責任は常に意識しています。彼が大切にしている「グローバルに活動する姿勢」は自分も共有していて、ブランドの一員として次世代に伝えていく使命を感じています。
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