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試練のシーズンを越えて、ようやくスタートラインへ…A東京、5大会連続CS進出で”本番”へ

故障で戦列を離れた時期もあったが、チームの成長に自信をのぞかせたA東京・テーブス [写真]=B.LEAGUE
バスケットボールキング編集部

 4月25日、TOYOTA ARENA TOKYOで行われた「りそなグループ B.LEAGUE 2025-26 SEASON」B1リーグ戦第35節GAME1。アルバルク東京滋賀レイクスを101-74で下し、快勝を収めた。他会場でレバンガ北海道が敗れたため、A東京は「りそなグループ B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2025-26」進出が決定。5大会連続8度目となる大舞台への切符を手にした。

試合後、CS出場決定がアナウンスされると、歓声が沸き上がった [写真]=B.LEAGUE

 今シーズンのA東京は、かつてないほどの苦難から幕を開けた。念願であった新本拠地「TOYOTA ARENA TOKYO」での開幕戦となった宇都宮ブレックス戦。しかし、そのコートにライアン・ロシターブランドン・デイヴィステーブス海といった主力の姿はなかった。さらにファイティングイーグルス名古屋から移籍してきた中村浩陸もその開幕戦で負傷離脱。B1リーグ戦は開幕4連敗を喫し、東アジアスーパーリーグ(EASL)の初戦でもセバスチャン・サイズを欠いて敗北。公式戦5連敗という、まさに最悪のスタートだった。

 そのような試練の中、1月の第101回天皇杯では見事に優勝を果たし、リーグ戦でも激しい順位争いの中でしぶとく白星を重ねてきた。そして迎えたレギュラーシーズン最後のホーム開催となる今節の滋賀戦で、ついにCS進出という“絶対的な使命”を果たしたのである。

■ベンチメンバーの躍動と指揮官の手応え

「残り3試合をしっかり戦う」とアドマイティスHCは気を引き締めた [写真]=B.LEAGUE

 滋賀戦では今シーズン2度目の100点ゲームの勝利を挙げた。さらに、ロスター全員が出場してタイムシェアを行い、ベンチポイントが総得点の約6割を占める64得点を記録するという、チームとしての総合力の高さを見せつけた。

 試合後の記者会見でデイニアス・アドマイティスHCは、「コートに立った選手たちがしっかりと集中力を保ちながら試合を戦ったと感じています。特に控えから出てきたベンチの選手が、しっかりと準備して試合に臨めたので、我々のペースでずっと試合が続いていた」と、選手たちのパフォーマンスを高く評価した。

 また、苦しいシーズンを支えてきたベンチメンバーの活躍については、「我々は本当に苦しくてケガが多かったシーズンですので、このような形で全員そろえてからプレーできたことは本当に良かったと感じています」と安堵の表情を見せた。「控えからの選手、スターターだけではなくて選手全員が一丸となって、勝利に貢献したい」と、今後の戦いに向けてさらなる期待を寄せた。

 CS進出を決めたことについては、「アルバルク東京というチームはやはり毎シーズン、プレーオフ(CS)に入らなければいけない使命があるチームですので、決まったからといってセレブレーションはせず、まだまだ先がありますので。しっかりと残りの3試合を戦い抜いてから、一番いいベストなコンディション、ベストな状態でCSに向かっていける準備していきたい」と気を引き締めた。

■司令塔テーブスが語るチームの“我慢強さ”

テーブスは「レギュラーシーズンの苦しい経験がCSで生きる」と力を込めた [写真]=B.LEAGUE

 囲み取材に応じたテーブスは、開幕からの苦境を振り返りつつ、チームの成長に自信をのぞかせた。

「ワイルドカードでチャンピオンシップ進出って、アルバルクとしては決してベストな形ではないですけど、開幕5連敗から始まって今シーズン、これだけケガ人が続出してる中で、まずチャンピオンシップにいけることっていうのは、本当にこのチームの我慢強さを示してると思います」

 ケガ人が多く、苦しい時期を全員で乗り越えてきた経験は、大舞台で必ず生きると確信している。

「過去のシーズンではプレータイムがもらえなかった選手も20分、30分も出なければいけない試合もたくさんあったからこそ、ベンチに入ってる選手みんなが色んな良い経験をできたと思うので、それは多分CSで生きてくると思います。間違いなくタフな状況ではあったので、それを乗り越えれるぐらいやっぱ我慢強いチームっていうのは、間違いなく優勝を狙えるチームなのかなと思います」

■ザックが説く「エゴを捨てたチームバスケ」

この試合でゲームハイの18得点をマークしたバランスキー [写真]=B.LEAGUE

 同じく囲み取材に応じたザック・バランスキーも、充実した表情を見せた。「CSのスタートラインに立てたことはすごいうれしいですし、今のBリーグはすごいレベルが高くて、どこが勝ってもおかしくないので、CS決まるのは1つのステップとして良かったなと思います。今日の試合もアシストが31を数えていることも、本当にチームバスケで勝てて100点ゲームしたのはすごい良かったなと」

 チャンピオンシップを勝ち抜くために必要なことを問われると、バランスキーはチームの結束力を強調した。

「本当に一人ひとりが自分のエゴを捨ててチームのために、全てを捧げることが一番大切かなと思います。自分が自分がじゃなくて、チームのために何ができるかが一番大切かなと思いますし。本当にうちのチームは強みが違うし、それをどうチームとして生かしていくことが大切かなと思う中で、みんなの信頼関係と、あと本当に硬いディフェンス、リバウンドが鍵になってくるのかなと思いますね」

 さらに、今シーズン限りでの現役引退を表明している菊地祥平への思いも明かした。「もちろん祥平には最高の形で引退させてあげたいなと思いますし、みんなが祥平の背中を見ていろいろ学んできたし、祥平もいろいろ僕たちに伝えてきてくれたので。もう本当に彼に、最高の景色を見て引退してほしいなっていう気持ちはあるので。もう本当に祥平のためにみんなでまとまって行けたらいいなとは思ってますね」

 様々な困難を乗り越え、満身創痍の序盤戦から力強く立ち上がったアルバルク東京。しかし、クラブにとっての本番はこれからだ。レギュラーシーズン残り3試合でさらにチーム力を整え、最高の状況ででCSという真の戦いへと挑む。そして、「祥平を横浜アリーナに連れていく」という特別なモチベーションを得たアルバルクは、例年とは異なる戦う姿勢を見せてくれるはずだ。

文=入江美紀雄

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