2021.08.10

広島の辻直人が入団会見「覚悟を持ってこの地に来た」

入団会見に臨んだ辻直人[写真提供]=広島ドラゴンフライズ
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 広島ドラゴンフライズは10日、辻直人の新入団会見を開いた。

 大阪府出身で現在31歳の同選手は、185センチ82キロのシューティングガード。2012年に青山学院大学から東芝ブレイブサンダース(現川崎ブレイブサンダース)へ入団し、加入初年度から出場機会を得てJBLの新人王を獲得した。2016年のBリーグ開幕後も主力選手として活躍し、天皇杯制覇などに大きく貢献。今年6月、ルーキーシーズンから所属した川崎から退団し、広島へ活躍の場を移した。

 会見では岡崎修司ゼネラルマネージャーが獲得の経緯を説明。獲得するにあたって大きく3つの理由を述べた。まず第一に挙げたのが、「シューターとしての得点力」。3ポイントシュートを含む外角シュートを得意とし、日本を代表するシューターとして長らく活躍してきた辻のシュート力を岡崎GMは「非常に早いシュートモーションから得点することができます」と高評価。「(広島は)昨シーズン、このポジションは特定の選手に得点やプレータイムが偏っていたり、アウトサイドが伸び悩んだりしていた。日本トップレベルの選手なので、大きな武器になると非常に期待しています」と太鼓判を押した。

 続けて挙げたのが、「オフェンスをクリエイトする能力」。岡崎GMは「これだけのシュート力を持ち合わせながら、ボールを持った状態でオフェンスを作り出すことができる選手はなかなかいない」と話し、「今シーズンさまざまなオフェンスパターンがあると思いますが、(辻は)オンボール・オフボールともにチャンスを作り出すことができるはず。さまざまな特長を持った選手がいるので、お互いの良さが生きると思います」とチャンスメークの面でも高い期待を寄せた。

 ここまでオンコート面での期待を語った岡崎GMだが、オフコートでの活躍にも期待しているようだ。「ロールモデルとしての活躍にも期待しています。辻選手が入団した時の川崎は最下位になるなど苦しい時期もありましたが、今ではBリーグで優勝を争う強豪クラブになりました。そういった経緯や文化の作り方、共通意識、チームの変遷を見てきた経験があるので、この広島の地で還元してくれることに期待しています」。

岡崎GMは辻に大きな期待を寄せている[写真提供]=広島ドラゴンフライズ

「今までのプロキャリアで一番良い成績を残したい」

 2012年にプロデビューを果たし、長らく川崎の「顔」として活躍してきた辻。ファンからの人気も高く、それだけに今回の移籍には驚きの声が多く寄せられたが、「覚悟をもってこの地にきたし、広島を変えないといけないと思っています。プレッシャーは特に感じていないし、使命を果たしたい」と強い信念を持って決断を下したようだ。

 辻は移籍を考慮することになったきっかけとして、「もっと成長したいというのがあった」といい、「川崎が強豪チームになり、クラブとして力をつけてきたなかで一人のプロ選手として考えた時に、『自分はもっとできるんじゃないか』と思っていたところで、声をかけていただいた」と説明。「僕一人では勝てないので、チームの編成を聞いた時にステップアップできるんじゃないか、という選手・環境がそろっていたことが決め手の一つ」と語った。

 5日前に広島入りしたという辻。練習はまだ1度しか行っていないが、チームへの印象について「インサイドはすごく強力だし、シューターとしては思い切ってシュートが打てる。インサイドに強力な選手がいるとアシストしやすいですし、若い選手も多いので早い展開に持っていけると思います」 とコメントした。

 昨シーズンまで過ごした川崎はBリーグの強豪として名を馳せ、4度のチャンピオンシップ進出と天皇杯制覇を成し遂げている。その一方で広島はB1昇格を果たした広島は、9勝46敗で西地区最下位に沈んだ。強豪チームから最下位への移籍となったが、「今の川崎と比べると、それぞれの選手に自信が必要なのかなと思う」と指摘。「『勝つチームはこういうチーム』というのを僕は見ているので、そういったところを伝えることで昨シーズンよりは絶対良くなる。常勝チームになる上で必要になる部分を変えていきたい」と力を込めた。

 「今までのプロキャリアの中で一番良い成績を残したい。それがチームの成績につながると思いますし、そういう目標を持ってやりたい」と意気込む辻は、新天地でどのようなプレーを見せてくれるのだろうか。2021−22シーズンにおいて最も注目があつまる選手・チームの一つであることは間違いない。
 

辻は「もっと成長したい」と考え広島への移籍を決断したという[写真提供]=広島ドラゴンフライズ

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