2025.10.16
7月5日と6日に行われた「日本生命カップ2025(東京大会)」で、男子日本代表(FIBAランキング26位)はオランダ代表(同52位)との2連戦を1勝1敗で終了。この2試合でアピールに成功し、8月5日に開幕する「FIBAアジアカップ2025」のメンバー入りへ前進した3選手をピックアップして紹介する。
文=小沼克年

中村太地は自身の役割に徹したプレーを見せた [写真]=伊藤大允
2019年以来となる日本代表戦のコートに立った28歳は、巡ってきたチャンスを見事にものにした。
第2戦でロスター入りした中村は、第1クォーター中盤にコートイン。同クォーター残り2分18秒に放った最初のシュートを3ポイントで沈めると、後半も積極性を貫いて内外からスコアを伸ばした。タフショットやフローターも難なく沈め、約16分の出場時間で2ポイント確率は2分の2。3ポイントは試投数、成功数ともにチームで最も多い8分の4という数字をマークした。
終わってみればチーム最多の16得点。中村は高校時代から大型ポイントガードとしてプレーしているため、クリエイト能力に長ける点も魅力の1つだ。しかし、今大会で担ったのは主に「シューター」としての役割。
「練習中からたくさんシュートを打てと言われていましたし、自分の(シュート)スポットを見つけてキャッチ&リリースで素早く打つことは持ち味だと思っている」と、自らの役目を全うした。
「練習中は自分の役割が全然できてなかった。何回も注意した」と明かしたのはトム・ホーバスヘッドコーチ。しかし、「今日の太地はすごくよかった。Bリーグのチームと、このチームでの役割は違うけど、それに気づいたと思います」と続け、中村の活躍ぶりを称えた。
日本は7月11日から韓国での強化試合に臨む。「まだまだトライアウトだと思っているので、この選考を勝ち抜けるように引き続きアピールしたい」と気を引き締める中村は、日本人として初めてKBLでプレーした経歴の持ち主でもある。2020年から2シーズンにわたりプレーした縁のある場所でも爪痕を残せるか。

ホーバスHCから高評価を得た川島悠翔 [写真]=伊藤大允
インサイド陣では、GAME2で4ブロックを記録した狩野富成(サンロッカーズ渋谷)がインパクトのある代表デビューを飾った。そんな中、2試合を通じて日本のゴール下を支えたのは川島悠翔(シアトル大学)だ。
現在20歳の川島は、昨年2月に行われた「FIBAアジアカップ2025予選」Window1でホーバスジャパンデビュー。今大会はそれ以来となる凱旋試合を果たし、2メートルの高さと簡単には倒されない体幹の強さ、ジャンプするタイミングの良さを駆使してリバウンドと守備で奮闘。初戦では4つのオフェンスリバウンドを含む計13リバウンドでゲームハイの記録を残すと、ホーバスHCが第2戦の先発に起用するか頭を悩ませるほどの期待に応えた。
「トムさんには合宿中からリバウンドが役割と言われていましたし、その成果を出せたのでよかったです」と振り返った川島に対し、ホーバスHCも「彼がいると安心。まだミスがあるけど、リバウンドもすごい、体も強い、ディフェンスもいい」と高く評価した。
現時点ではパワーフォワード登録の川島だが、「世界で戦うには身長が足りないと思っているので、もっと技術を学んでいきたい」とさらなる飛躍を誓う。AKATSUKI JAPAN期待の星は3ポイントやプレーメイクにも磨きをかけ、日本を代表するオールラウンダー、そして自身の夢であるNBA入りを目指す。

同年代からの人望を集めるジェイコブス晶 [写真]=伊藤大允
今大会は、まだ代表経験の浅い選手たちに自然と多くの視線が向けられたかもしれない。だが、代表初選出から3年目を迎えたジェイコブス晶(フォーダム大学)も印象的だった。
203センチのスモールフォワードは、昨夏行われたパリオリンピックのメンバーに最年少の20歳で選出。今大会は2試合連続で先発に名を連ね、GAME1はチームトップの15得点、GAME2では豪快なダンクシュートを含む14得点をマークした。
パリオリンピックを終えてからは一層フィジカルが強くなり、第2戦では相手から2度のオフェンスファウルを誘発。攻守両面でのマルチなプレーぶりは日本に安定感をもたらしている。
「一人ひとりがリーダーシップを発揮できていると思います」とチームの雰囲気を話すジェイコブスは、自身の得点についても「自分が一番点を取るというメンタルはあまりないです。スタイル的にガード陣が作ってくれるプレーから僕の得点につながることが多いです」と、チームプレーを強調。
だが、彼の成長は同世代の選手たちから見ても明らかだ。山﨑一渉(ノーザン・コロラド大学)が「精神的にすごい大人になった」と話せば、湧川颯斗(三遠ネオフェニックス)は「アメリカに行ってから大分変わったと思いますし、外のシュート確率がすごく上がった印象です」と言及した。
アジアカップでは、主力の1人として日本をけん引する活躍に期待がかかる。
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