2025.07.22
「1つのステップだけで振られてジャンプシュートを打たれたのがあって。別にドリブルをされたとかでもなく、そのワンステップで。その前の動きから読まれてやられてしまったのが、もう自分としては『洗礼を受けたな』と思いました」
9月にドイツ・ベルリンで開催される「FIBA女子バスケットボールワールドカップ2026」に向けて強化を続けている女子日本代表。現在は第2次強化合宿の最中だが、4月には若手選手を主体としたメンバーでアメリカトレーニングキャンプを行い、現地ではラスベガス・エーシズ(2025シーズン優勝)、フェニックス・マーキュリー(同シーズン準優勝)と対戦した。
このキャンプに参加した薮未奈海(デンソーアイリス)は、「WNBAのトップの選手たちと対峙したときに無駄のない動きだとディフェンスをしていて感じました」とWNBAチームとの試合の感想を語る。そして、冒頭のコメントのように、強く印象に残ったのがエーシズのガードであるジャッキー・ヤングにワンステップでシュートを打たれたことだと教えてくれた。
そうした経験は、21歳の薮のように若手選手たちが世界トップレベルのプレーを肌で感じることもキャンプの目的ではあったため、チームとしても、選手たちにとっても今後につながるものとなった。
そのあと、チームは5月に「三井不動産カップ」(対ラトビア代表)を戦ったが、このときはWリーグのプレーオフから休みもそこそこにアメリカトレーニングキャンプに参加した数名の選手などは不参加に。デンソーに在籍する薮もその1人で、6月16日から味の素ナショナルトレーニングセンターにて行われている第2次強化合宿はアメリカ以来の参加となった。
「(これまで)やってきたこと、コーリー(ゲインズ・ヘッドコーチ)のバスケットというのは継続しているので、三井不動産カップに参加していなかったから、今すごく何かが難しいといったことはないです。もちろん最初は自分の役割も思い出しながら、ここは自分のチャンスだなとか、そういうところまで意識しながらやり始めています」と、薮は言う。さらに、「三井不動産カップの試合には出ていないけれど、アメリカ遠征で得たもの、感じたものはすごくあったので、それをこの合宿を通して、ワールドカップに向けて自分がどうやっていきたいかというところを探りながらやっています」とも発した。
薮はWリーグのプレーオフ・ファイナルでは優勝に王手をかけた第4戦で3ポイントシュート3本を含む14得点と活躍を見せ、デンソーの初優勝に貢献した。薮自身は「(3月の)ワールドカップ予選からなかなか調子が上がってこなかった」ことでプレーオフもセミファイナルはもとより、ファイナルでも序盤は苦しんだ。そのなかで「最後、ああいった形で締めくくれたのは、すごくホッとしているし、何も残せないまま日本代表の合宿に来たら、何だったんだろう?と思ってしまったと思うので、吹っ切れたというか、すごく切り替えられるキッカケになりました」という。
三井不動産カップを経て、チームはワールドカップに向けた選考がより激しくなった。「正直、焦りはありました。この合宿が始まるまで、自チームの練習はなかったので個人で動いていましたが、チームによっては6月から始動しているチームもあるので、そういう不安がありながらの(第2次)合宿でした。でも、そんなことも言ってられないし、それは言い訳にしかならないので、自分の役割(への意識)をしっかり持って臨んでいます」
「シューターとしてシュートを打つのが役割ですし、そこは徹底したいと思ってます。それと、シュートを打つまでの動きに関してはもっと磨くところあるし、自分がボールを持ってシュートが打てなかったのあとの動きでももっともっとできるかなとも思っています」
コーリー・ゲインズ体制となって「FIBA女子アジアカップ2025」と「FIBA女子ワールドカップ2026予選トーナメント」のいずれも出場している薮。日本の若きシューターは、さらなるレベルアップに意欲を見せている。
文=田島早苗
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