2022.12.30
「今年は去年からのエースという意識をしっかり持ちつつ、ゲームメークでもみんなを引っ張っていかなきゃいけない立場になるので、その意識も高めていきたいと思います」
昨年のウインターカップ優勝に貢献した2年生エースは、新チームに切り替わったと同時に新たなチャレンジを始めた。
今年の湧川颯斗(3年)が身につける背番号は、福岡大学附属大濠高校(福岡県)のエースナンバー「14」からエースガードが背負う「13」へと変更。主戦場も昨年のスモールフォワードからガードへポジションアップし、試合では主にポイントガードの役目を担うこととなった。
湧川の特筆すべき点は、キレと力強さのあるペイントアタックからシュートをねじ込み、3ポイントシュートも高確率で沈めるオフェンス力だ。それを194センチの身長でやってのけ、リバウンド争いでも大いに存在感を発揮する。ポジションが変われど「自分の良さは常に生かしていきたい」と話しており、9月から11月まで開催された「U18日清食品トップリーグ」で29得点14リバウンド、25得点13リバウンドというスタッツを叩きだす試合もあった。また、司令塔に不可欠な周りを生かす能力も兼ね備え、トップリーグの計7試合では平均4.6アシストを記録。個人のアシストランキングで全体4位となる数字を残した。
ゲームキャプテンとしてもチームを引っ張る今年は、県予選を突破できずインターハイ出場を逃した。しかし湧川は、8月にオーストラリアで開催された「第12回 バスケットボール・ウィズアウト・ボーダーズ・アジア・キャンプ」でアジア太平洋地域の同世代の選手たちとプレーし、U18日本代表として「FIBA U18アジア選手権大会2022」にも出場。「今までも世界で戦うプレーヤーになることが目標だったんですけど、アジアや世界のレベルを経験して『世界は広いな』と改めて感じました」と海外での経験を振り返り、「まだまだ課題があります」とウインターカップへ向けてもレベルアップを図っている。
湧川が言う具体的な課題は「状況判断」の部分。「試合の流れやコートに立っているメンバーのバランスを見て、いい状況判断をすることがまだ上手くできていないです」と、ポイントガードとしてプレーは現時点で仕上がっているのではなく、まだまだ進化の途中だ。
それでもウインターカップは待ってくれない。今年は1年を通じてケガに悩まされたシーズンでもあり、夏に味わった悔しさも含め、持てるすべての力を注ぎ込みたいところ。得点、リバウンド、ゲームメーク、リーダーシップなど多くの役割を担うが、大会連覇へはエースガードの“覚醒”が必要だ。
文=小沼克年
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