2022.02.24
28日に「FIBAバスケットボールワールドカップ2023 アジア地区予選」Window1、対中国との2戦目に臨んだ日本代表は106−73と惨敗し、開催地・仙台から帰途につくこととなった。
日本チーム最多の16得点3アシストを挙げた寺嶋良(広島ドラゴンフライズ)がスタッツ上では最も際立った選手だと言える。またボールをプッシュすることでトム・ホーバスヘッドコーチの標榜する速いペースの展開を一定程度、体現することはできた手応えもあった。
第3クォーターには抜群のタイミングでのカットインでシュートを決めた。また第4クォーターには相手のターンオーバーから速攻からのレイアップを決めるなど、本領を発揮した。
試合後の寺嶋は、チームの苦戦の中で、初のA代表での試合を戦いながら自身のスピードについては自信を得られた旨を述べた。
「トランジションで先陣をきって運ぶことで、周りのウィングの選手たちが走ってくれて良い流れにできたと思います。そこは海外相手でも通用したと感じています」
ただどれだけ自身がある程度の力量を見せられたと言っても、チームが大敗したこともあって、彼の口から出てきた言葉の多くは反省のそれだった。
PGであるからやはり得点だけでなく、いかに味方に対して好機を作り出せるかというところに意識が行く。今回の2連戦に出場した富樫勇樹(千葉ジェッツ)、齋藤拓実(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)、藤井祐眞(川崎ブレイブサンダース)ら他のPGたちができていたと感じる「ドライブしながらも(得点機を)クリエイト」という点で、寺嶋は自身に課題が残ったと話した。
また寺嶋はこの試合、シュートを2度、ブロックされている。事前にどれだけ映像を見ていても、中国という圧倒的なサイズのある相手に実際、コートで対峙してみてその高さというところに対応しきれなかった。そこについても今後は、プレーに工夫が必要であると強調した。
「レイアップする時にある程度『この距離、これくらいならブロックされないだろう』というのがあったのですが、触られてしまいました。試合をしてみて経験しないとわからないので、そういう意味でも収穫だったとは思います」
寺嶋が頼もしいのは、24歳とまだ若い部類の選手であるにも関わらず、思慮深く、自身を客観的に見ることができるところだ。自身の個人の技量を引き上げることは当然ながら、各選手、各々の自チームで戦いながらも「代表チームとして」レベルを上げることが肝要であるとした。
「これから2月(のWindow2)まで時間が空きます。今回、チームとして一回、バラバラになってしまいますが、僕らはつながっているというか、チームとして成長をしていかないといけないですし、それぞれの改善点をチームに持ち帰っていかないと世界相手には戦えないと思います」
今季、Bリーグでは広島という新天地へ移籍しキャリア最高のシーズンを送っているが、今回、甘いところも苦いところも味わった代表活動を通じて、寺嶋という選手には強い刺激が入ったはずだ。
文=永塚和志
写真=伊藤 大允
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