2023.07.27

【WUBS開幕特集】東海大主将・黒川虎徹に直撃「ディフェンスを武器に『小さくても戦える』ところを見せたい」

東海大の黒川キャプテンにWUBSの意気込みを聞いた [写真]=兼子愼一郎
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8月10日から13日の期間、国立代々木競技場第二体育館にて「Sun Chlorella presents World University Basketball Series(WUBS)」が開催。2022年のインカレ優勝校である東海大学は2年連続の出場となり、前回大会の経験を糧に再び海外の強豪校としのぎを削る。準優勝で終えた第1回目の成績を超えるべく、チームはどんなことにフォーカスを当てるのか。今シーズンのキャプテンを務める黒川虎徹(4年)に話を聞いた

取材・文=小沼克年
写真=兼子愼一郎

■『原点回帰』のシーズンにビッグファミリーを体現

――今シーズンの東海大は、どんな目標や方向性を定めてスタートしましたか?
黒川
 4年生で話し合った結果、自分たちのやるべきことを徹底してインカレで優勝することを一番の目標にしました。その中で『原点回帰』というテーマを定め、今までの東海大がどんなチームだったのかをもう一度見直して、そのDNAをしっかりと受け継いでいこうという目標を立てました。

――『原点回帰』とは、具体的にどんなことに立ち返るのでしょうか?
黒川
 ディフェンス、リバウンド、ルーズボールを徹底するチームです。それを陸さん(陸川章ヘッドコーチ)を中心にした“ビッグファミリー”で体現して勝利を目指します。

――その中で、黒川選手はキャプテンとしてどんなことを意識していますか?
黒川
 やっぱりみんなとコミュニケーションを取ることですね。特に1、2年生に関しては思い切ってプレーしてほしいので、もしミスをしたとしてもすぐに駆け寄って「全然気にしなくていいよ」とか、そういう声かけを意識しています。

 でも、自分一人でチームをまとめることはできないので、同期にはどんどん頼っていますね。自分の意見も大事ですけど、周りのみんなが思うことや感じることもあるので、そういった情報や意見をしっかり聞くこともキャプテンとして心がけていることです。

コミュニケーションを取りつつ、チーム作りを進行中 [写真]=兼子愼一郎


――8月10日から2度目のWUBSが開幕します。準優勝で終えた前回大会はどんな大会でしたか?
黒川
 海外チームと試合をする機会は自分のキャリアでも滅多にないことだったので、自分たちがどれだけできるか、ということにチャレンジした大会でした。相手は(日本のチームと比べて)フィジカルが強くて、体の当て方や使い方も違いました。身体能力もあるので日本とは違ったバスケットでしたし、それを体感できたことは本当に良かったです。

――前回は国立政治大学(チャイニーズ・タイペイ)とペリタハラパン大学(インドネシア)に勝利しましたが、アテネオ・デ・マニラ大学(フィリピン)には敗れました。海外の大学生相手にも通用した部分、反対に通用しなかった部分はどんなところでしたか?
黒川
 まずは、大会を通してシュート確率が安定しなかった印象があります。あとはリバウンド。東海大はサイズが小さくてなかなかインサイドで主導権を握れなかったので、今大会は全員でボックスアウトを徹底しなければいけないです。

 通用したところはディフェンスですね。ボールマンプレッシャーやインテンシティの高さは今振り返ってみても良かったんじゃないかなって思います。ディフェンスは東海大の持ち味なので、海外チーム相手にも発揮できたことは素直にうれしかったです。

■目標は「優勝」! オフコートでも交流したい!!

――今大会は2022年のインカレ優勝校として出場します。チームとしては王者のプライドを持って臨むのでしょうか?
黒川
 いや、それはもう去年の結果なので気にしてないというか、関係ないと思っています。今シーズンは別のチームになっていますし、まだタイトルを取れているわけでもないので、チャレンジャーの気持ちで自分たちからガツガツ当たっていきます。

――ズバリ、今大会の目標は?
黒川
 もちろん優勝を目指します。その中でどんどんチャレンジして、試合ごとにチームとして成長したいです。海外チーム相手にも自分たちの力を示せるように頑張ります。

――改めて「東海大のここに注目してほしい」というポイントを教えてください。
黒川
 繰り返しになりますけど、東海大はディフェンスのチームです。なので、前からどんどんプレッシャーかけて相手のターンオーバーを誘発して、そこからのファストブレイクをぜひ皆さんに見ていただきたいです。「小さくても戦えるんだぞ!」というところを見せたいと思います。

「小さくても戦えるんだぞ!」という点を見てほしい と黒川[写真]=兼子愼一郎


――個人のプレーではいかがですか?
黒川
 自分はポイントガードなので、しっかりとゲームメイクをしつつ、得点できる場面では積極的にリングにアタックしたいです。あとは対戦相手のいい部分をどんどん盗んで、個人としても成長したいと思っています。

――注目してほしい選手はいますか?
黒川
 26番の小林巧(3年)ですね。彼はスキルフルな選手で、まだちょっと波があるんですけど、ハマった時は本当に止められないです。入部した時からテクニックがありましたし、今もチームで一番上手い選手じゃないかなと思います。

――WUBSは選抜や代表チームではなく、大学の単独チーム同士が対戦します。それに対する意義や楽しさなどはどのような点だと感じていますか?
黒川
 個人的には海外の大学がどういったシステムやスキルを使って、どんなバスケットを展開してくるかが気になりますし、楽しみにしている部分です。

 本当にいろんなものを吸収できますし、海外のチームと対戦できることは今後の自分たちのキャリアにも影響するはずです。なのでオフコートでもどんどん交流を図りたいですし、聞きたいことはどんどん聞いて情報交換できたらいいなと思っています。

――最後に応援してくれるファンの方へメッセージをお願いします。
黒川
 ファンの方々の応援はいつも力になっていますし、WUBSでもそういった方への恩返しの気持ちも込めて全力でプレーし続けます。みなさんも“シーガルスプライド”を持って一緒に戦っていただけたらうれしいなと思っていますので、ぜひ会場で応援よろしくお願いします!

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