2025.01.23
NBAのリーグ拡大計画が水面下で進行しているようだ。リーグコミッショナーのアダム・シルバーは、ご意見番として人気を博すシャキール・オニール(元オーランド・マジックほか)のPodcastに出演し、NBAがヨーロッパに関心を示していることを明言した。
シアトルやラスベガスなどアメリカ国内での球団新設も検討される中、最近の注目の話題のひとつであるNBAのヨーロッパ進出計画。その引き金となったのが、FIBAのアンドレアス・ザグクリス事務総長のヨーロッパリーグに関する可能性への言及と、NBAカップ決勝の際にシルバーが残した以下の発言である。
「まだ内部決定には至っていませんが、ヨーロッパにおけるバスケットボールの可能性を新たなレベルへと引き上げることには巨大なチャンスがあると信じています。私は1992年のドリームチームの少し前にNBAに加入しましたが、当時から同じことが言われていました。ヨーロッパのバスケットボールのクオリティは素晴らしいものがあります。トップ選手の多くがヨーロッパ出身です。しかし、ヨーロッパで特別な何かを作り上げるためには、さらに商業的な可能性を探り、アピールの機会が必要だと考えています」
「私たちの議論についてですが、そのひとつはヨーロッパにNBAのフランチャイズを加える以前に、独立したリーグを作る可能性があるかどうかです。パリ、ロンドン、ベルリン、マドリードといったヨーロッパの主要都市、およびバスケットボールを愛する他の大都市における莫大な関心を活かしたいと思っています」
現在、NBAではトロント・ラプターズが米国外に本拠地を置いているが、隣り合わせにあるアメリカとカナダの距離は目と鼻の先。ヨーロッパに球団を新設し、米国内の球団とリーグ戦を戦うことになると、移動という物理的な問題が顕著になる。シルバーもチーム単位での移動を懸念事項に挙げており、現状を冷静に見つめている。
国を跨いでのリーグと言えば、サッカーのUEFAチャンピオンズリーグが最も成功している事例と言える。しかし、それは各国のプロリーグと並行したワールドカップやオリンピックのような大会形式だ。
果たして、NBAはどのようなリーグの未来を思い描いているのだろうか。数十年後には誰も想像していなかったようなスポーツリーグが誕生するのかもしれない。
文=Meiji
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