2025.10.30
AmazonのPrime Videoは10月15日(現地時間14日)、アメリカ・ロサンゼルス・カルヴァーシティのAmazonスタジオで「INTERNATIONAL NBA PRESENTATION & PANEL」を開催し、NBAのグローバル配信プロジェクト「NBA on Prime」を正式に発表した。Prime Videoスポーツ部門を統括するアレックス・グリーン氏が登壇し、NBAとの11年契約を軸とした国際戦略と新機能を紹介した。
グリーン氏は冒頭、「NBAはNFLやチャンピオンズリーグなどと並ぶ、Primeにおける世界最大のスポーツコンテンツの一つとなった」と語り、今回の契約によってPrime VideoがNBA League Passを提供する唯一のサードパーティとなり、「事実上、NBAのグローバルホームになる」と強調した。配信は200カ国以上に及び、スペイン、トルコ、アルゼンチンなどでは初のライブスポーツコンテンツとして展開される。2026年からは1シーズンおきに、海外地域のほぼすべてでNBAファイナルを独占配信する予定だという。
同氏はまた、NBAのグローバル性を選定理由に挙げ、「過去7シーズンのMVPはすべて米国外出身の選手であり、NBAには国境を越えたスターがいる」と説明。今後は各国のプライムタイムに合わせた編成を進め、より多くのファンが試合を体験できる環境を整えるとした。
続いて登壇したグスタボ・コエーリョ氏(Prime Video ラテンアメリカ統括)は、2022年に開始したブラジルとメキシコでの取り組みを紹介。「ブラジルでは約5500万人がNBAに関心を示し、そのうち45%がコアファン。メキシコでも3000万人以上がファンとしてNBAを追っている」とデータを示し、「ラテンアメリカ全体では1億人規模の市場が形成されている」と述べた。今シーズンは同地域で年間400試合を制作し、ポルトガル語とスペイン語での配信を拡充するという。
ヨーロッパ地域の展開については、ベルナール・シャティヨン氏が「深夜に行われる試合をより多くのファンに届けるため、放送終了後15分以内にフルリプレイを提供する」と説明。毎朝配信する5分間のローカライズハイライトや、AIを活用した「Rapid Recap(ラピッドリキャップ)」、複数試合を同時視聴できる「マルチビュー」などの新機能を紹介した。また、ライブ中に統計データを重ねて表示できる新しい「ライブ統計情報」機能も搭載される。
さらに、ユーザーがリーグやチームをお気に入り登録できるパーソナライズ機能も導入。視聴者は好みのチームの試合に素早くアクセスでき、プライムタイムの試合開始前にはプッシュ通知も受け取れる仕組みとなる。これらはFire TVやApple TV、モバイル端末などで利用可能で、今後さらに対応範囲を広げていく予定だ。
制作面については、「Creating access for all(誰もが楽しめる環境)」「Putting fans first(ファンを最優先に)」「Taking the viewer closer to the action(試合に近づける体験)」の3本柱を掲げ、世界200地域以上でのローカライズを進める。12言語による実況・解説を導入し、メキシコシティとサンパウロには独自のスタジオも設置する。
最後にグリーン氏は「私たちはスポーツを通じて、Primeを世界最高のメンバーシッププログラムにしたいと考えている」と締めくくった。NBAとの長期契約を通じて、Prime Videoは世界規模で“試合に最も近い”視聴体験を提供する新たなステージに踏み出した。
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