2025.11.16
八村塁は、3ポイントとミッドレンジにおいてリーグでも指折りの正確性を誇り、ロサンゼルス・レイカーズの好調の要因となっている。JJ・レディックヘッドコーチも、八村の現在のコンディションについては口を開く度に賞賛の声が漏れており、アトランタ・ホークス戦の前には、バスケットボール史上最高の選手の名前を出すにまで至った。
「今の塁は、ミドルレンジを絶対に外さない気がしています。まるで全盛期のマイケル・ジョーダンやカワイ・レナードのようです」
3ポイント成功率は本稿執筆時点で52.4パーセントに到達。これはリーグ全体5位という脅威の確率だが、さらに驚くべきことに、40本以上試投回数のある選手にフィルタリングするとリーグ全体1位となり、これはアウトサイドで好調を維持するアンソニー・エドワーズ(ミネソタ・ティンバーウルブス)やハリソン・バーンズ(サンアントニオ・スパーズ)以上の成績だ。
レイカーズは、八村の目を見張るステップアップや、ルカ・ドンチッチとオースティン・リーブスが記録しているリーグ最高のオフェンシブ・レーティングなど、攻撃面が取り沙汰されているが、八村はオフェンスよりもディフェンスに意識を集中されているようだ。
シャーロット・ホーネッツ戦では第1クォーターに40失点を喫したレイカーズ。しかし、後半は軌道修正に成功し、第3クォーターでは失点を15点に抑えたことが勝利の要因となった。八村は『Spectrum SportsNet』に対して、今後自身とレイカーズが守備をより堅固にするために何に重点を置くべきかについて語っている。
「適切なポジションを取ってスタートし、チームディフェンスとしてコミュニケーションを取ることが重要だと思います。僕たちはコミュニケーションを取り、もっと声を出す必要があります。それが鍵でした。今年はより集中しようと心がけており、それが効果を上げていると思います」
レイカーズは成績こそ上々の出だしとなっているが、算出されているチームディフェンスのデータには改善の余地が見られる。今シーズンのディフェンシブ・レーティング(相手に100回ポゼッションされた場合の平均失点率)は、116.2ポイント。これはリーグ全体22位の成績となり、1位のオクラホマシティ・サンダーと比較すると12.1ポイントもの開きがある。また、昨シーズンのレイカーズのレートは113.8ポイントを記録しており、直近の好調はオフェンスに依存していることがわかる。
それでも、八村のディフェンスには数字には表れない成長があるようだ。レディックHCは、ホーネッツ戦の第3クォーターにおける八村のディフェンスについて「コート上のディフェンスでこれまで見てきた中で最高だった」と絶賛。指揮官によると、今シーズンの八村はディフェンス時に4番や5番のスイッチンググループに含まれておらず、カバーリングの追撃役になっており、こうした変化にも成長が見られているという。
まさに影の立役者!試合残り1分41秒、ウェンバンヤマの6つ目のファウルを引き出したスーパープレイ👏👏 #八村塁 #LakeShow #NBAHighlights #NBAJPN pic.twitter.com/MlI8Gj4yhM
— NBA Japan (@NBAJPN) November 6, 2025
また、セカンドエースを任されるリーブスも、八村の守備の姿勢には感銘を受けている。同選手は、細部を追求する八村は現在のチームディフェンスに欠かせない存在になっていると語る。
「試合中のどんな局面でも、今どんなカバーをしているか、特定のプレーで何を狙っているかを彼(八村)から尋ねられる。彼は常にその点に集中している。集中し、努力を惜しまなければ、正しい位置から正しいプレーができる状況に自然と置かれる。彼はまさにそれを実践していると思う。競争心が非常に高く、ディフェンスにおける細かな部分や自分の立つべき位置に注意を払い、本当に、本当にチームに貢献している」
八村のディフェンスへの献身性は、守備職人のマーカス・スマートにも評価されている。2022年の最優秀守備選手賞は「俺たちの侍を誇り思う」とし、攻撃面のみならず守備面でもエナジーを発揮する八村がチームに新鮮さをもたらしているという。
コートの両サイドでキーマンを担う八村。もし、八村を筆頭にチームディフェンスが改善すれば、レイカーズは鬼に金棒状態となり、プレーオフでもライバルたちから恐れられる球団になるだろう。
文=Meiji
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