2020.01.13
1月9日(現地時間8日)にホームのステイトファーム・アリーナで行われたヒューストン・ロケッツ戦は、アトランタ・ホークスとトレイ・ヤングにとって、大きなチャレンジだった。
というのも、前回(現地11月30日)の対決で、ホークスはジェームズ・ハーデンに60得点を献上し、47点差(111-158)で敗れていたからだ。チームトップの37得点を挙げたヤングは「誰もが今勝ちたがっている。僕だって今勝ちたいんだ」と『The Athletic』へもらしていた。
そうして迎えた今季2戦目。ロケッツはラッセル・ウェストブルックを欠いていたとはいえ、ハーデンが第1クォーターだけで22得点をたたき出し、最初の12分間で45-29と16点差をつける。
それでも、この日のホークスはロケッツへ真っ向勝負を仕掛け、点の取り合いへと持ち込んだ。ヤングに加えてジョン・コリンズやアレックス・レン、ケビン・ハーターらが続き、第2、3クォーターで56-54と食らい付く。
すると14点ビハインドで迎えた最終クォーターで、ホークスがロケッツを猛追。残り4分4秒でヤングが2本のフリースローを確実に決めて、3点差の1ポゼッション差へと持ち込む。
だがここで、ロケッツの仕事人PJ・タッカーが攻防両面で真価を発揮。コリンズとのルーズボール争いを制してフリースロー2本を決めると、残り3分10秒にヤングのショットをブロック。オフェンシブ・リバウンドを奪ったホークスは、レンがアタックするも、タッカーが絶妙なポジショニングでテイクチャージを奪ういぶし銀の働き。
その後ハーターのショットで再び3点差まで追い上げたホークスだったが、エリック・ゴードンの長距離砲が飛び出し、その後ハーデンがフリースローを沈めて勝負あり。最終スコア122-115でロケッツがホークスを下した。
今季のロケッツ戦を2連敗としたホークスだったが、前回の47点差からチームとして成長した姿を見せることができたと言っていいだろう。
この試合ではハーデン(41得点10リバウンド10アシストに2スティール3ブロック)とヤング(42得点13リバウンド10アシスト)が超絶パフォーマンスを披露。NBA史上初となる同一試合で2人の選手が40得点超えのトリプルダブルを達成。
ハーデンはフリースロー(23投中19本成功)で得点をつなげたものの、後半は18本のショットのうち2本しか決められず、3ポイントも20投中成功わずか4本に終わるという大乱調。
『StatMuse』によると、ハーデンが1試合で20本以上の3ポイントを放ったのは通算7度目なのだが、NBA史上で1試合20本以上の3ポイントを放ったのはハーデンだけ。さらに、1試合で15本以上の3ポイントをミスした回数で、ハーデン(6回)はその他の選手の合計数(3本)を大きく上回っているという。
47点差の大勝から一転、ホークスに接戦へ持ち込まれたハーデンは「相手はショットを決め続けた。そして俺たちはミスしてしまった。彼らは気力にあふれたチームだ」とホークスの奮戦を称えていた。
ロケッツではハーデンのほか、クリント・カペラが22得点22リバウンド2スティール2ブロック、ベン・マクレモアが18得点、ゴードンが17得点、オースティン・リバースが10得点、タッカーが8得点17リバウンド2スティールと続いた。
ホークスではヤングのほか、コリンズが17得点14リバウンド4ブロック、レンが14得点10リバウンド、ハーターが11得点6リバウンド4アシストを記録。
前回のロケッツ戦後、ウェストブルックから励まされたヤングは「再建という状況の中、僕はどうやってポジティブな姿勢を保っていくかを学ばなければいけない。リーダーとして、僕は自分だけじゃなくてチームメートたちもポジティブな姿勢を維持させていく必要があるんだ」と口にしていた。
ロケッツとの2戦目を終えて、ホークスはリーグワーストの8勝30敗。それでも、ヤングは現状についてポジティブに受け止めていた。
「(ロケッツ戦で見せたチームの奮闘は)見ていてすごくエキサイティングなものだった。僕らは多くの選手たちが健康体を取り戻して帰ってきたからね。今の僕らは、どのようにして試合を勝利で締めくくることができるかを学ばなきゃいけないだけ」。
ホークスの明るい未来を背負って立つヤングには、大きな責任がのしかかっているはずだが、チームをけん引するリーダーとして着実に成長していることは間違いない。
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