2024.08.30
ゴールデンステイト・ウォリアーズが岐路に立たされている。その渦中にいる男が、王朝で4度のNBA優勝に貢献したスプラッシュブラザーズの片翼を担うクレイ・トンプソンである。
ウォリアーズとの現行契約が2023-24シーズンをもって満了を迎えたトンプソンはフリーエージェント(FA)だ。しかし、『The Athletics』によると、ウォリアーズとトンプソン陣営の間では、新契約につながるような生産的な会話がなく、それどころか他球団からも具体的なオファーが届いていないという。
ウォリアーズは一時代を築いた一方で、近年は高齢化の指摘が後を絶たない。ステフィン・カリー、ドレイモンド・グリーン、クリス・ポールといった主力はすでにキャリアのピークを過ぎており、トンプソンも2024-25シーズン中には35歳の誕生日を迎える。スター選手たちを複数抱えることは、重いサラリーキャップがのしかかるのと同意義。アンドリュー・ウィギンズも在籍するウォリアーズにとって、トンプソンと交渉なくして再契約できる余地はない。
同メディアの名物レポーターであるシャムズ・シャラニア氏は、2022-23シーズン開幕前にウォリアーズとトンプソンの間で再契約にまつわる会談の場が設けられ、契約金の可能性として2年4800万ドル(76億6800万円)前後だったという。しかし『The Athletics』は、ウォリアーズにとってトンプソンとの再契約は優先順位リストの下部に記されていると伝えており、もし仮に球団がほかのスター選手に白羽の矢を立てると、トンプソンとの決別はほぼ決定的になると見ている。
ウォリアーズ側の算段は、トンプソンがFA市場で納得のいく契約を見つけることができず、最終的には球団側が思う適正価格で再契約を締結すると考えるようだ。その一例としてサクラメント・キングスと再契約したマリーク・モンクの名前を挙げた。シックスマン賞で2位に選出された控えの切り札は今夏に大幅なサラリーアップが予想され、チームメートのディアロン・フォックスも再契約に確信が持てない様子だったが、最終的には4年7800万ドル(124億5600万円)という想定よりも手頃な価格でキングス残留が決定した。
だが、ウォリアーズからオファーを提示されたとしても、トンプソンが復帰するとは限らない。最近の来日も話題になったトンプソンは、インスタグラムでウォリアーズのフォローを解除。そして、移籍の有力先として挙がるオーランド・マジックのパオロ・バンケロをフォローしたことが話題になった。
今シーズンはベンチで不満そうな表情を見せる様子が度々確認されており、1試合平均得点はキャリアワースト3位、3ポイントシュート成功率はキャリアワースト2位と、真価を発揮できずにいた。再起を果たすために、選手として環境を変えるという選択肢は十分にありえるだろう。
トンプソンは復帰か、プロキャリア第二章か。ウォリアーズは英雄たちのラストダンスか、“ビッグ3”解体か。両者は今夏、大きな決断を迫られている。
文=Meiji
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