2019.07.07
3月2日に行われたホームでの栃木ブレックス戦。三遠ネオフェニックスの太田敦也は日本代表戦でも見せてくれたフィジカルを活かしたディフェンスを披露。外国籍選手をペイントエリア内で仕事させず、さらにはオフェンスリバウンドやルーズボールにも果敢に飛びこみ、いつもどおりのスタッツには見えない素晴らしい働きを見せた。勝たなくてはいけない「FIBAバスケットボールワールドカップ2019 アジア地区 2次予選(Window6)」の最大の敵であったイラン戦でも見せた同じようなプレーでチームに貢献。そのイラン戦でゲーム途中相手の肘が当たって目にできた青いアザが痛々しいながらも懸命にプレーしていたが、アクシデントは突然訪れる。2日の試合では第4クォーター残り6分36秒にオフェンスリバウンドに飛びこむと、そのまま相手の足に乗っかってしまい足を捻ってしまう。非常に痛そうな姿でベンチに下がると、その後ゲームには出場できずに翌日もベンチ外となってしまった。
彼がいることで三遠のチーム自体も非常にインサイドでのアドバンテージを生む形となり、いい形でゲームを進めることができる。そのアドバンテージを失ってしまってホームでの栃木戦は連敗を喫してしまった三遠。太田本人はケガの影響もあり直接話をうかがうことができなかったが、チームを率いる藤田弘輝ヘッドコーチに彼について話を聞くことができた。
「本人には(日本に)帰ってきてから火曜日、水曜日と休みにして、木曜日も半分休みでいいですよと伝えたけど、練習すると言ってくれてすごく意識が高いなと思います。本当に攻守両面で頼りにしています。代表での活躍もアツさんらしいディフェンスで体を張ったり、オフェンスリバウンドに飛びこんだり、素晴らしい活躍をしてくれました。ああいう舞台で活躍しているという部分で、チームとしても誇りに感じています」と、太田に関して最大限の賞賛を与えるコメントを残してくれた。
スタッツには出なくても仕事をしっかりと果たしてくれる選手はバスケットボールという競技において、非常に重要な役割を果たすといっても過言ではない。代表でもチームでも同じ働きをしてくれる太田敦也という男は、とてつもなく重要な1人であることは間違いない。相手と自身の持ち味でもあるフィジカルを活かしてファイトして、その代償を自身の体に背負っても懸命に戦い続ける侍。それが太田敦也。
彼が再び元気になる姿を早くこの目で見たいものである。
写真・文=鳴神富一
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