2020.01.26
12月28日、「SoftBank ウインターカップ2019 令和元年度 第72回全国高等学校バスケットボール選手権大会」は男子準決勝2試合が行われ、昨年の覇者で今夏の南部九州インターハイ優勝の福岡第一高校(福岡県)が東山高校(京都府)と対戦した。そのインターハイで福岡第一に接戦を演じたのが東山であり、交換大会ながら10月には福岡第一に土をつけている。それだけに接戦が予想された。
この試合、スムーズにスタートしたのは福岡第一に見えた。しかし、東山のムトンボ・ジャン・ピエールの高さを意識するあまり、オフェンスのリズムを失う。また、「様子見で入ったところもあったので、中途半端なポジションになってしまった」と、試合後、福岡第一の井手口孝コーチが反省したディフェンスでチェックが甘くなったことで、東山の脇阪凪人、米須玲音の3ポイントシュートを浴びるなどして、前半は38-28と東山のリードで折り返した。
「前半は攻防両面でチームに迷惑をかけました。後半はチームのエースとして、そしてキャプテンとして『自分がやらないと』と。技術的なものより、気持ちを入れてプレーをしたつもりです」
その言葉通り、逆転の原動力となったのは河村の突破であり、シュートでもあった。第4クォーター、勝負を決める場面でステップバックの3ポイントを決めた後、珍しく吠えた河村。実はその前のプレーで井手口コーチに怒られており、「それを挽回するためのここ1本のシュートでした」と明かしてくれた。
いよいよ明日は高校生で最後の試合を迎える。
「3年間、自分としては可能な限りバスケットと向き合ってきました。(高校生として)最後となる明日の決勝では3年間培ったものをすべてぶつけたいと思います」
河村の言葉にはゆるぎない覚悟が感じられた。
文=入江美紀雄
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